3月27日のアカデミー賞の授賞式で起きた、ウィル・スミスの“ビンタ”事件が波紋を広げています。
ウィル・スミス
プレゼンターのクリス・ロックが、スミスの妻で、脱毛症に悩むジェイダ・ピンケット・スミスの髪型を映画『G.I.ジェーン』の角刈りになぞらえて茶化したことに、スミスが激怒。ビンタだけでは収まらず、放送禁止用語まで使ってロックの非礼をののしったのです。
その後、スミスはSNSで謝罪したものの、アカデミー賞を主催する映画科学芸術アカデミーは、この蛮行を非難しました。カリフォルニア州法にもとづき、一連の経緯を調査することを表明しています。
この前代未聞の事態に、世界が騒然としました。まず、日本の反応はどうだったでしょう。
日本では妻の名誉を守ろうとしたと同情的
3月29日放送の『スッキリ』(日本テレビ)では、MCの加藤浩次がコメディアンの立場から、ロックを批判。「相手を本当に傷つけたら絶対ダメ」だとして、「クリス・ロックの負け」だと語っていました。
同日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)では、コメンテーターの玉川徹が「殴りはしない」と前置きしつつも、スミスに共感を示していました。
ウィル・スミス(左)とジェイダ・ピンケット・スミス(右)
また、ロックのブラックジョークに対する会場の反応に疑問を投げかけたのは、『めざまし8』(フジテレビ)のMC、谷原章介。「クリス・ロックの冗談に会場全体が笑っていた。僕はそこが一番大きな問題だと思っている」、「ここで笑っている空気感があるからこそ、ああいった人をやゆするようなことが無くならないんじゃないのかな」と語り、こうしたどぎつい口撃を許容してきた風潮に疑問を投げかけました。
日本では多くの芸能人たち同様、ネット上でも妻の名誉を守ろうとしたスミスに同情的で、暴力行為もある意味ではやむを得ないものだった、と考えているようでした。
このように、家族を守ろうとした男への同情は万国共通かと思いきや、意外や意外。欧米では日本とは真逆の反応を示しているのです。