苦学生であるということを知られまいと、水沢はずっとほかの生徒と距離を置きながらポーカーフェイスでクールな表情を保ってきたが、第2話では自分の仲間を馬鹿にするような真中の発言に激昂したかと思うと、桐矢に自分の事情を悟られてしまい、それまでの態度を謝罪されると「あーあ、全部バレたか」と言って、一緒に湯につかった桐矢に微笑みながら湯をかけるといった“素顔”がのぞいた。桐矢との銭湯シーンは、体温が上がって頬が赤らんでいたこともあり、それまでのツンケンした水沢とはまるで別人物のようでもあった。第2話はまさに“水沢回”であり、主人公である柊木の出番も少なかったこともあって、前田拳太郎はさながら主役のように多彩な表情を見せてくれた。
それにしても『女神の教室』は、経済的に恵まれない家庭環境、成績への劣等感、親からのプレッシャーと、水沢に限らず、ロースクール生たちはさまざまな境遇を抱えており、共感する視聴者も多いことだろう。劇中では、30歳にして夢破れ、実家に戻った元ロースクール生の姿も描かれている。月9という大看板がありながら、ロースクールの世界を爽やかな青春ドラマだけにまとめようとしないストーリーに制作側の矜持を感じた。が、一方でどうしても全体的に重苦しい雰囲気が漂うのも否めない。第2話は柊木と藍井仁(山田裕貴)のいがみ合いの場面も控えめだったのもあるだろうか。
1月23日放送の第3話では、弁護士である父から司法試験を諦めるよう宣告された成績下位のロースクール生・天野向日葵(河村花)を中心に話が進みそうだ。そして、柊木の前に現れた警視庁捜査一課・風見(尾上松也)の深刻な表情が意味するものとは。第3話も見どころ満載だ。
■番組情報
月曜ドラマ『女神[テミス]の教室~リーガル青春白書~』
フジテレビ系毎週月曜21時~
出演:北川景子、山田裕貴、南沙良、高橋文哉、前田旺志郎、前田拳太郎、河村花、佐藤仁美、宮野真守、小堺一機、尾上松也、及川光博 ほか
脚本:大北はるか、神田優
音楽:武部聡志
主題歌:Vaundy「まぶた」
プロデュース:野田悠介
演出:澤田鎌作、谷村政樹
法律監修:水野智幸
製作・著作:フジテレビジョン
公式サイト:fujitv.co.jp/themis