7組目「マードック」・・・「バレンタインチョコ」

 かなりたどたどしく、そのたどたどしさを売りにしているコンビなのかなといった印象。コンビ歴3年目で「竹田こもちこんぶ」さん同様全国放送初ということなので、もしかしたらたどたどしさは計算では無い可能性もあるが、どちらにせよその芸人らしからぬ雰囲気は世間にウケるだろう。

 お二人ともタイプの違う『陰キャ』という感じで、そのキャラクターから想像しやすい「バレンタインチョコをもらったことがあるかどうか」だけで話が進んでいくという漫才。昨今の漫才師に多い、キャラクターのみで突き進んでいくような漫才なので、全体的にボケ自体のクオリティは低い印象を受けた。フリートーク部分も含めて山本さんの強い個性で展開しており、MCからすればいじりやすいキャラクターなので、十分通用すると思うのだが、通用してしまうというのはある意味“諸刃の剣”で、自分たちで成長を意識しないと停滞する可能性がある。

 自分たちが持っている愛されるキャラクター性や強烈な個性に甘んじることなく、自分たちを俯瞰で見て、技術面を向上していけば唯一無二の存在になれるのではないだろうか。