5組目「ちゃんぴおんず」・・・「ちょんってすなよ」

 今回のおもしろ荘で圧倒的票数を獲得し優勝したコンビ。正直なところ見た目は芸人に多くいるキャラ漫才をするコンビに見えてしまった。さらにボケの仕方やボケツッコミの入れ方もそこまで特殊なものでは無く、かなりオーソドックスな漫才だった。

 ではなぜ優勝できたのか。それはネタの面白さと安定感だ。このちゃんぴおんずさんの「ちょんってすなよ」というネタは漫才の面白さ、歌ネタの爽快さ、リズムネタの心地よさ、ギャグの軽快さなどあらゆる要素が組み込まれており、かなり多方向から笑いを起こせるシステムになっている。漫才が好きな人もギャグが好きな人も、歌ネタが好きな人も、リズムネタが好きな人も笑わせることが出来るのだ。

 さらに先述した“オーソドックスな漫才”というのは決してマイナスな表現ではなく、お笑いにおいてはかなりプラスなことなのだ。オーソドックスとは言い換えれば“ベタ”ということ。お笑いをやっている人間のほとんどは“ベタ”を崇拝しており、結局“ベタ”に勝つお笑いは存在しない事を知っている。つまり“ベタ”な漫才が出来る芸人は面白い漫才が出来る芸人ということなのだ。ちゃんぴおんずさんは面白い漫才がしっかりと出来る実力を持っていながら、あらゆる面白い要素を入れ込むことも出来るというめちゃくちゃ器用な漫才を確立したのだ。優勝しないわけがない。

 さらにフリートークに関しても“誰かにいじられた方が笑いになる”という自分たちの強みもわかっており、ガヤが基本の若手芸人としての基本はすでに持ち合わせている。自分たちだけで成立させようとする若手が多い中、MCありきの立ち回りができるちゃんぴおんずさんは即戦力になること間違いなしだ。