◆ドアの前でトイレットペーパーの使用量を聞かれていた…

盗み聞き
 しかし、翼さんのケチっぷりにドン引きする出来事が起きます。それは休日の夜、トイレから出てきた時のこと。リビングに入った途端、翼さんは「ずっと前から言おうと思ってたんだけど、1回のトイレでトイレットペーパー使いすぎだよ」と突然、激怒。

 理恵さんが驚いていると、翼さんは「実は理恵がトイレに行くたびに、ドアの前でトイレットペーパーを巻き取る音を聞いてたんだよ」と告白。そして「あんなに使われるともったいないから、トイレットペーパーについているミシン目を参考にして、小の時は1枚分、大の時は2枚分にしてほしい」と言ってきたのです。

トイレットペーパーを抱える男
「驚きましたし、気持ち悪かったです。毎回、外で音を聞かれていたんだと知り、恥ずかしくもなりました。お金はたしかに大事です。でも、そこまで徹底的に節約しないといけないのだろうかと疑問にも思いました」

 理恵さんは提案に賛同できなかったため、「それは無理」と断言。すると、翼さんは「だったら、トイレットペーパーは別々に買おう。そっちのほうが多く使うのに、同じ金額だけ僕も負担しなければならないなんてフェアじゃないから絶対に嫌だ」と言ってきたのです。

「だから、我が家のトイレットペーパー代は今でも別々です。今回はそういう方法で妥協できたけれど、今後も夫の金銭感覚についていけないことはあると思う。そういう時、どうしていけばいいのか今から不安です」

 そう語る理恵さんは、次は何を注意されるのだろうと不安な気持ちを抱えながら、どこか居心地の悪い結婚生活を継続しています。

 節約を心がけ、お金を大切にするのは良いことですが、自分では普通だと思っている金銭感覚がパートナーにとっては苦痛となっていることもあるもの。翼さんの行き過ぎた言動は、自分たちの節約生活を見つめ直すきっかけにもなりそうです。

<取材・文/古川諭香>

【古川諭香】

愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291