正直言ってストーリーは“既視感の嵐”であり、相当にベタとも言えるが、見どころはやはり演奏シーンだ。俳優陣はそれぞれ演奏や指揮の練習を何カ月もして準備を進めており、第1話の終盤、初音と音を合わせていく場面は音楽ドラマならではの快感があった。楽団員たちを演じるのは、瀧内公美、坂東龍汰、濱田マリ、平田満、前野朋哉ら。ドラマの脇を固めるほかのキャストも、永山絢斗、恒松祐里、岡部たかし、津田健次郎、原日出子、生瀬勝久、石野真子、 奥貫薫、利重剛など実力派ぞろい。最後の門脇麦と恒松祐里の姉妹の言い争う場面も、いいシーンだった。演奏シーン以外でも“見せる”ドラマでもある。

 視聴率だけでなくTVerのお気に入り登録者数も伸び悩んでおり、TVer総合ランキングでもふるわないなど、いまひとつ話題に欠ける『リバーサルオーケストラ』だが、今後の展開によっては“化ける”可能性もある。ドラマ自体も“一発逆転”劇があることを期待したいが、はたして……。