性犯罪は立証するのが難しく、泣き寝入りする被害者が多い
――20代、30代は大人ですが、彼女たちはまず警察へ行かないのでしょうか?
平岡さん「多くの女性たちは相手との関係性により、警察に行けないことが多いんです。また、先日は、警察に行ったけれどもきちんと対応してくれなかったという相談もありました」
――それはどういうことですか?
平岡さん「女性警官の言動から『あなたも悪い』と言われているように感じたそうです。警官の質問にすぐに答えられないでいると、『なんで話せないの?』と言わんばかりに威圧的に詰問されたようです。性被害について話す心理的ストレスは相当なものなのに……。そもそも、思い出したくもないことを根掘り葉掘り聞かれるのは、すごく辛いこと。警察へ行って色々と聞かれるのが嫌な女性たちが、ライトハウスにLINEで相談してくるわけです。LINEなら答えたくなければ答えなくても良いですし、ライトハウスも『言いたくないことは話さなくてよい』というスタンスでいます」
中村さん「日本では、性行為を犯罪として処罰するには、相手が同意していないこと』に加えて、『加害者が被害者に暴行や脅迫を加えて、抵抗できない状態につけこんだ』ことを、被害を受けた側が証明しなければいけません。体に傷が出来ていないとなかなか立証できないのです。警察へ行っても起訴できるかどうかもわからない……。確証もないうえ、様々な理由や制約から警察への相談はハードルが高いのが現状だと思います」