マウスウォッシュは「売上高計画」を82%上回る

2月9日発表のライオンの2017年12月期の売上は3.8%増の4104億円、本業の利益を示す営業利益は11.0%増の272億円で売上・営業利益とも過去最高を記録した。増収益を支えたのは主力である一般消費財の売上増だ。一般消費財の売上は1.3%増の2908億円(売上構成比71%)となり、同営業利益は19.7%増の189億円(利益構成比69%)となった。

営業利益の増益要因は新商品など高付加価値品の比率が上がったためだ。中でも『NONIO』の売り上げは、売上高計画比でハミガキが37%増、マウスウォッシュが82%増といずれも当初計画を大きく上回る結果となった。ちなみに、マウスウォッシュは業界統計上では「洗口液」として分類される。2017年の洗口液の「業界全体」の伸びが3%増なのに対し、ライオンの洗口液は16%増と2ケタの伸びを示している。ミレニアル世代に訴えたマーケティング戦略「ローラ効果」がマウスウォッシュ市場の拡大に大きく寄与したのだ。

「フルーツグラノーラ」の大ヒットに似ている?

筆者は、マウスウォッシュといえば壮年層が歯周病を防ぐために使っているイメージを抱いていたのであるが、その先入観を根底から覆される思いだった。実際、NONIOの購入者で過去半年内に「洗口液を初めて購入した人」の割合は、20~29歳が64%、30~39歳が59%、40~49歳が58%、50~59歳が55%、60~69歳が59%だった。まさに「ローラ効果」で新たにミレニアル世代を呼び込むことに成功したと考えられ、今後さらなる成長の可能性も秘めている。

たとえば、マウスウォッシュと似たようなケースとして「フルーツグラノーラ」がある。フルーツグラノーラも当初はカルビー <2229> が朝食のご飯とパン食の中間のニッチな市場として若者に訴えた商品だった。そのフルーツグラノーラが大ヒットし「新しい市場を創出する」とともにカルビー株はテンバガーを達成したのである。同じようにライオン株がテンバガーを達成するかはさておき、今後のマウスウォッシュ市場の動向には十分な注意が必要だろう。

(ZUU online編集部)

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