6:『金の国 水の国』1月27日公開

 2017年「このマンガがすごい!」で第1位を獲得した岩本ナオの同名コミックの劇場アニメ版。「箱入り娘のようで実はたくましいぽっちゃり体型のお嬢様」と「お調子者のようで実は聡明かつ誠実な長身で三白眼の青年」という2人が、敵対国の思惑に巻き込まれ、偽りの夫婦を演じるうちに愛が芽生えていく様が描かれており、この関係性で考えうる尊みを120%大放出してくれていて五臓六腑に沁み渡ったので、「ありがとうございます」と拝みながら観ていた。

 重要なのは、良い意味で夢いっぱいの冒険ファンタジーではないということ。(デフォルメもされているが)リアルな国家間の緊張がある最中に、優しい人たちの行動が何かを変えていく物語なのだ。少し話が難しいとも言えるが、小学校高学年くらいから十分理解できるだろうし、現実のあれこれを連想して考えられることもあるだろう。背景美術は細部まで描き込まれており、スクリーン映えする展開や画もふんだんであるので、ぜひ映画館でこそ観てほしい。