「M-1グランプリ」が注目されればされるほど、漫才師としては「結成15年以内に決勝に出なければ終わる……」という悩みを抱えることになります。そして、結成15年が近くなればなるほどコンビの関係も悪くなり、15年を過ぎると解散なんてことも少なくありません。

 もとは島田紳助さんの10年超えて売れなきゃ辞めた方がいいという意見から始まり、呪縛のようにその言葉に押しつぶされている芸人もいます。そして、決勝に出場しても売れ切らなければまた挑戦し、売れる可能性を高めなければならなくなります。

 漫才師のピークは15年以内にくる芸人もいれば、15年以降にくる芸人もいます。個々で長く活動してからコンビを組む芸人と、芸人開始と同時にコンビ活動を始めるのとでは、状況が違ったりします。やはり、劇場で大きな笑いを起こしている芸人が結成15年を過ぎると、背中が少し寂しく見えます。本人は「楽になった……」と言っていますが、ファンからすると闘いの舞台に上がってほしいと思ってしまうものです。