擦り切れたロングコートと軍靴、口には年代物のパイプ。年明け連休の混雑気味の新千歳空に一見、風変わりな出で立ちの若者が佇んでいた。しばらく考え込んで気づいた。その若者は人気マンガ『ゴールデンカムイ』(集英社)の主人公・杉元佐一のコスプレヤ―だった。
2022年4月に連載終了したゴールデンカムイは、マンガ家・野田サトルが手掛け、人気作に。北海道を舞台とした作品で、連載が終わった現在でも熱烈なファンが多い。数年前まで、網走刑務所など作品に所縁のある北海道の名所に“聖地巡礼”するファンも多かった。
「地元の青年団体と一緒になって、網走刑務所でイベントをやったこともある。網走にあるオホーツク流氷館という場所には、作品をリスペクトするファンたちの書置きがたくさん残っている」(地元観光業界関係者)