◆誰にとっても他人事ではない

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 言うまでもなく、本作で描かれた問題は、映画業界だけではないのはもちろん、日本でもまったく他人事ではない。社会に生きるひとりひとりが性暴力・セクハラを許さない確固たる意志を持つことが大切という意識も新たにできるだろう。

 その理由もまた、劇中で2人の女性記者が、何度も何度も、地道な取材と交渉を続け、やっとのことで記事が世に出せたという、あまりに困難な道のりが描かれているためだ。何より、その告発記事で世界が変わったのは、紛れもない事実。だからこそ「バトン」は、世界中の人々に渡されているとも言える。ぜひ劇場で、そのことを実感してほしい。

<文/ヒナタカ>

【ヒナタカ】

「女子SPA!」のほか「日刊サイゾー」「cinemas PLUS」「ねとらぼ」などで映画紹介記事を執筆中の映画ライター。Twitter:@HinatakaJeF