9月入学が採用されたら、大学生の就活はどう変わるか
秋入学が実現すれば卒業の時期も変わるので、日本の就職慣行は大きく変化することになるでしょう。企業の採用活動なども秋に合わせて行わなければならず、一時的に社会の混乱が生じることが予想されます。
ここからは、9月入学が採用された場合の「企業の採用方法」「学生の就活の変化」について見ていきましょう。
通年採用の企業が増える?
9月入学が採用された場合、学生の卒業も秋頃となるため、就職活動への影響は必至です。
企業は、これまで大学3年生に対して3月から採用情報の公開などをしていましたが、今後は通年採用の企業が増えはじめることも考えられます。
とくに経団連は9月入学が実現した場合、「従来の一括採用ではなく通年採用などの柔軟な取り組みをするよう企業に求めていく」という見解を示しています。もとより欧米や中国が9月入学であることなど、グローバルな視点からの対応が求められているようです。
このことからも9月入学に日本の学校制度がシフトすれば、就活は単に半年後ろ倒しになるだけでなく、学生にとってはより柔軟な活動ができるようになる可能性があります。
インターンからの直接採用も検討課題に?
インターンシップから直接採用までつながる就職活動は、これまでも存在していましたが主流ではありませんでした。
通常は、インターンシップと採用面接などの評価は切り離されています。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって就職活動も停滞を余儀なくされたため、新たな対応が必要となってきました。
その一つとして、インターンシップからの直接採用の解禁が検討されています。これによって、採用する企業側も時期にとらわれない採用方法を模索することが可能になるでしょう。
ギャップイヤーをとる学生が増える?
ギャップイヤーとは、大学入学時や就職前に自発的に作る空白期間のことです。欧米では、ギャップイヤーを取得して「旅」や「ワーキングホリデー」「スキルアップ」などに時間を割く学生が珍しくありません。
日本でも、東京大学では「FLY Program」という特別休学期間を取得できる制度があるなど、学生の自己成長を促す取り組みが行われています(ただし2020年度のFLY Programは新型コロナウイルスの影響で全面的に中止)。
従来の一括採用制度では、ギャップイヤーを取りたくとも就職活動のスケジュールの妨げになると諦めていた人もいたかもしれません。通年採用となれば就職活動の自由度が上がり、スキルアップや課外活動を積極的に行おうとする学生が増えることも考えられます。
自己分析・企業研究などは早めの準備を!
コロナ禍の影響による有効求人倍率の低下などを見る限り、今後の就職活動の状況は決して楽観的な見方はできません。また、冒頭でもお伝えした通り「早急な9月入学への移行は見送る」とされ今後の見通しは不透明なままです。
その中で、就職活動に必要な自己分析や企業研究は早めに行うことを心がけ、今後社会がどう動いても対応できるような心がまえを持っておきたいところです。
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