回答率が2倍になった理由は「返報性の原理」という心理学

ガーナーによれば、このような効果を表した原因は「返報性の原理」だというのです。返報性の原理というのは、“好意を受けた時は好意で返さなければならない”と考える心理です。例えば、日本ではお歳暮やお中元などのお返しの文化が定着しており、以前は無かったホワイトデーを作ってしまうほど、日本人は返報性の原理に敏感です。

コメントを書くという手間をかけで、心遣いをされたお返しに、早めにアンケートを返送し、回答内容も詳細にしたということになります。

パソコンの性能が向上して、テンプレートもあり読みやすいフォントで誰でも立派なセールスレターを書くことができるようになっています。それだけに、現代人は、パソコンのフォントに慣れてしまっています。そして、活字は誰にでも簡単に使え、ビジネスライクで気持ちがこもっていないと考えるようになってしまったようです。有難味が薄れてしまっているわけですね。

その中で、心のこもった自筆のコメントは目を引くことになります。それだけでなく、ポストイットという簡便なツールに簡単なコメントを記入するだけでも、送り手の労力や気持ちを感じ取って、それに報いなければならないという心理に火がついてしまうというわけです。

返報性の原理を利用した提案と事例

便利なツールとして、メールを利用したメールマガジンもありますが、あまり読まれていないのが現実ではないでしょうか?

メールマガジンはコストもかからず、すぐに配信されるというメリットもありますが、未読・破棄の可能性も高くなります。ですから、絶対に読んでほしい文書はコストと手間がかかりますが、ポストイットにコメントを書いて郵送したほうが良いということになります。

更に効果を高めたいならば、送付する文書は手書きにしたほうが効果的だということになります。手書きの文書をFAXで送る方法もあります。

また、筆者が勤務していた機械メーカーでのことですが、ユーザーの経営者にバースデープレゼントをしていました。

しかし、それだけではなくバースデーカードを添えるのですが、社長がバースデーカード1枚1枚に手書きでサインをしているのです。気持ちが通じないわけはありません。

面倒だけど……アナログだからこその価値を理解しておいて

民芸品など手作りの品には、郷愁や温かみ、心遣いを感じます。このように、デジタルに慣れてしまった現代人は、アナログ心をひかれるようです。アンケートの回答率が低い、ダイレクトメールの反応が良くない、提案書を送っても承諾率が低いとお悩みの皆さん! 心のこもったポストイットを貼り付けることや自筆の文書を同封すれば、その悩みは解決する可能性が高まります。ぜひ試してみてくださいね。

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