アンミカ「さっきアンミカさんの楽屋行かせてもらったら……」
そんな『あたらしいテレビ2023』にも出演していた若手製作者が企画・演出した『ここにタイトルを入力』(フジテレビ系)が、3日に放送されていた。昨年話題になった“実験的”な番組の新春特別版である。今回、番組は2部編成となっており、個人的に特に印象的だったのは前半だ。
前半は「すっぴん女の赤裸々ナイト」なる番組。男性ゲストを1人迎えて女性たちが本音トークをする、なんだか既視感ある番組だ。が、ひな壇に座る女性5人はすべてアンミカ。アンミカがアンミカに「さっきアンミカさんの楽屋行かせてもらったら……」と暴露するなど破綻したトークが続く。ただ、どうやら5人のアンミカの間には毒舌系、清楚系、肉食系といったキャラの違いがあるようだ。番組で必要とされる役割に応じてタレントはキャラを棲み分けていくということか。中身が破綻していてもおなじみのパッケージが整っていればテレビ番組として「成立」してしまうということか。
3日の『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日系)。古代エジプトに詳しい小学6年生の女の子がエジプトを訪れ、ピラミッドの中に入ったり、現地の研究者に会ったりしていた。VTRを見る芦田愛菜が「完全に家でテレビ見てるみたいになっちゃった」と語っていたが、12歳の子が世界初公開の発掘品を見せてもらう様子は、たしかにテレビでないとなかなか見られない映像だろう。
で、この子、知識の量や応用力もすごいのだが、何より知に対するスタンスが印象的だった。現地の研究者に自分の意見が否定されたことに対し、「子どもとして見るんじゃなくて、ちゃんと研究者として会話している気がしてうれしかった」とか、「私が新しい仮説を立てるのにすごく役立った」とか。ちゃんとした学術研究の結果を反映した情報が、小学生の手の届く範囲に、理解できる形でたくさんある社会はいい社会だなとも思った。