1.ペットのグリーフケアができるのは家族
ペットは出会った時から知っている家族の表情が変化する時、その理由が分からないゆえに「どうしたのかな?」「なんだかドキドキする」「不安になってきた」という気持ちが強くなります。このように「安全感・当たり前の日常」が喪失することでペットのグリーフが生まれてしまうのです。
ペットとの当たり前の日常に変化が起こったことで生まれるグリーフに対しどのように受け止め、向き合うことが必要なのか。どんな時でもペットの生活を安全に守っていくために、身近に存在するペットのグリーフについて具体的にお話ししながら、その対処方法について説明していきます。
グリーフを抱えた変化
グリーフを抱えた際の変化をみてみましょう。
ペットも人と同じようにグリーフを感じることで表情や行動、体調に変化が現れます。
人がグリーフを抱えると…
ペットがグリーフを抱えると…
グリーフは愛猫が深刻な病気になってから生まれるようなイメージをお持ちの方も多いと思います。しかし、愛猫が健康な頃から身近な日常生活の中にもグリーフは生まれています。
まずはどのようなことが愛猫にとってグリーフになるのか考えてみましょう。
愛猫にとって安全なテリトリーは生きる上でとても重要です。テリトリーは家の中だったり、家と庭だったりいろいろあると思いますが、愛猫にとって「テリトリーで続けてきた当たり前の日常」は宝物です。
愛猫のお気に入りの場所や喜ぶことはどんなことでしょうか。愛猫がのんびり、リラックスしているのはどんな時でしょうか。
「家族、同居のペット、好きな知り合い、食事やおやつ、おもちゃや遊び、お出かけやドライブ、マッサージ、ふれあい、ソファーやベッド、本箱や食器棚の上のスペース、キャットタワー、ベランダ、無防備になれるトイレなど」愛猫が心を許せる人やホッと安心できる空気、いつもいる落ち着ける場所などがあるでしょう。
また大好きな人に名前を呼ばれ、額や顎などの気持ちの良い場所を撫でてもらうと、とってもリラックスして嬉しそうですね。家族がリラックスしていると愛猫もリラックスできます。家の空気を感じながら生きているのです。
愛猫にとって安全な仲間と認めている家族、ホッと落ち着ける場所などが減ったり無くなってしまった時に「宝物の喪失」が起こります。
当たり前の日常の変化を愛猫はすばやく察知して警戒心を高めながら危険を回避し、自分を守る才能を持っています。愛猫の目から景色を眺めるイメージで想像してみましょう。
2.例えば「家の空気や景色がいつもと違う・一緒に生活した仲間がいなくなる」といったグリーフの原因には
以下のような「人の日常の変化」が考えられます。
- 子供の受験や進学
- 買い物、旅行
- 結婚や出産
- 家族の病気や入院 死別 介護
- 部屋の模様替え リフォーム
- 引っ越し(準備・片付け)
- 家族の不和、ケンカ
- 愛猫の病気や治療 同居ペットの病気や治療、入院や死別
など人にとっては当たり前の出来事でも、愛猫にとっては理由が分からない変化が日常には溢れています。
この変化が愛猫にとっては「大好きな人がいなくなる・一緒に生活した仲間がいなくなる」といったグリーフになります。