【1】の暴露本は、古くはジェームス三木のプライベートを赤裸々に放出した山下典子『仮面夫婦 私が夫と別れる理由』(祥伝社、92年)。そのほか、郷ひろみと元妻・二谷友里恵の暴露本合戦などが知られる。これらは明らかに“裏側を知りたい”という読者心理を狙ったもので、それなりに話題になるし、売れ行きも見込める。
【2】の自叙伝としては、松本人志『遺書』(朝日新聞出版、94年)は大きな話題になったし、飯島愛が過去を綴った『プラトニック・セックス』(小学館、00年)はセンセーションを巻き起こし、映画化もされた。麒麟・田村の『ホームレス中学生』(ワニブックス、07年)もミリオンセラーだ。“成功者の軌跡”はもちろん、“苦労したけどがんばって夢を追った俺”は、わかりやすい。また、貧困ネタも鉄板だ。
【3】はノンスタイル井上のポジティブシンキング系、【4】は松村邦洋の歴史系、滝沢カレンの料理本など多岐にわたる。“明るいメンタルを保つ秘訣”系は、それが売れようと売れまいと、いつの時代も発信されるもの。歴史や料理にしても、タレントが参入することで、そのジャンルが盛り上がる(気がする)なら、ありがたい話ではあるだろう。
とはいえ最近、芸人本の出版ペースが加速している印象がある、と指摘するのは、とあるタレント本ウォッチャーだ。