個人事業主として開業届を出すメリット・デメリット

フリーランスと個人事業主の違い?メリット・デメリットやお金の話
(画像=『Rolmy』より引用)

税務署に開業届を出すと、晴れて個人事業主となります。
個人事業主を名乗れるようにはなったものの、出す前と比べてどんな変化があるのでしょうか。

事業収入を得ていくにあたっては必ず提出が必要な開業届ですが、出すことによって何が変わるかは事前に知っておきたいですよね。
後から「知らなかった!」と困らないように、こちらではメリット・デメリットをご説明いたします。

メリットはこんなにある

フリーランスと個人事業主の違い?メリット・デメリットやお金の話
(画像=『Rolmy』より引用)

開業届を出して受けられる最大のメリットは、青色申告による恩恵です。
確定申告には青色申告と白色申告があります。

白色申告は簡易的な記帳でよい半面、控除できる額が青色申告に比べて低く設定されています。
青色申告は開業届と青色申告承認申請書を提出した個人事業主だけが行うことができ、最大65万円の「特別控除」が受けられます。

その他、赤字の繰り越しや、家族に対する人件費を経費にできるなど青色申告には複数のメリットがあります。
そして開業届は、金融機関で屋号付きの口座を作る際に控えの提出を求められることがあります。

スムーズに口座を開設できるよう準備しておきたいですね。
また、何もないよりは社会的信用度が高いと認識してもらえるでしょう。

特にまだ開業して日が浅く確定申告書も用意できない場合、融資や賃貸借契約時の審査などに有効となる可能性があります。

その他、退職金がない個人事業主のための「小規模企業共済」にも加入することができます。
掛け金の全額が所得控除の対象になりますので、節税メリットもありますね。

知っておきたいデメリット

フリーランスと個人事業主の違い?メリット・デメリットやお金の話
(画像=『Rolmy』より引用)

事業開始のタイミングは、注意したいポイントです。
開業届を出すことによって発生するデメリットについてご紹介いたします。

まず、健康保険上の扶養家族である場合、その扶養の要件から外れてしまう恐れがあります。

政府管掌の「協会けんぽ」では、個人事業主であっても条件次第で扶養家族となることができますが、
協会けんぽの以外の健康保険組合ではそれぞれ独自の基準があり、個人事業主が扶養の対象であるかどうか確認する必要があります。

該当される方はご家族が加入されている組合に要件を問い合わせてみましょう。
また、雇用保険に加入していた人が受け取る失業手当についても注意が必要です。

失業手当は、働く意思のある方が次の仕事先を見つけるまで所定の日数を限度に貰えるお金なので、開業届を出すことにより失業状態ではないと見なされ手当を受給できなくなります。

ただし給付の手続きをしておけば、失業手当の満額受給までに再就職した際に貰える「再就職手当」は受け取ることができます。

フリーランス・個人事業主の確定申告

フリーランスと個人事業主の違い?メリット・デメリットやお金の話
(画像=『Rolmy』より引用)

収入から経費を差し引いた所得が48万円(給与所得がある方の副業の場合は20万円)以上になる場合、全ての人が確定申告を行う必要があります。

この基準以下であっても、フリーランス・個人事業主として事業を継続していこうと考えている方はなるべく申告をしておきましょう。

どこかで確定申告書の控えを突然要求されることがないとも限りません。
遡って〇年分、というような指定を受けることも多いので、申告を済ませておけばもしもの時に慌てずに済みます。

また、青色申告の個人事業主が赤字を申告する場合、損失を最長3年に渡って繰り越せます。
もしくは前年の黒字と相殺して所得税の還付を受け取れる可能性もあります。

なお、青色申告には特別控除を受けられるという利点がありますが、通常最大55万円のところ、インターネットを通じて手続きを行う「e-tax」の利用で最大65万円となります。

これはお得ですね。