お笑い業界は今、誰が見ても“誰も傷つけない笑い”を推奨しており、ぺこぱさんの理念はまさに、今の優しい時代にフィットし、一大ブームとなった。しかしあれから3年経った2022年はあの頃の傾向と逆行した人の悪口を言い、人を傷つける笑いが頂点を極め、まるでお笑い界が、厳しくなったコンプライアンスなどによるがんじがらめの、現代お笑いへ反旗を翻したかのように見えなくもない。
しかしこれは時代に反発しているわけでも、お笑いとしての原点回帰をしているわけでもなく、ウエストランドさんの技術が凄いというだけの話なのだ。
皆さんは「M-1グランプリ2022」でウエストランドさんが披露した漫才を見ただろうか? もしご覧になった方がいたら問いたい。ネットで言われているように「悪口漫才」や” 誰かを傷つけて笑いをとっている”ように見えたのかどうか。
僕には決してそうは見えない。