◆クララが立った!会場が沸いた「最終決戦」

 最後、最大の試練にステージ上で挑戦。「最終決戦」は「リュック地面置き」「地面直接触り」「素足地面歩き」です。屋内の会場とはいえ、渋谷の円山町で土足なので、地面にはいろいろなデスが付着していそうです。もし自分がやれと言われてもできないハードなデスプレイです。

クララが立った!会場が沸いた「最終決戦」
 たいがーさんはBGMを流し、覚悟を決めると、まずリュックを地面にじか置き。続いて地面を触り、「どりゃ〜!」と、裸足で椅子からジャンプ。「やったぞ〜!」とたいがーさんが叫ぶと、会場中に大きな拍手が巻き起こりました。感無量で涙を浮かべるたいがーさん。「治るぞ〜!」と叫び、そのままずっと裸足なので、こちらの方がデスの侵蝕が気になってしまいました。

 でも、たいがーさんが裸足でステージに立った時、クララが立った以上の感動がありました。ポジティブな涙でデスパウダーが浄化されていくのが見えました。太陽や高知の自然のエネルギーを吸収したたいがーさんは、デスが付着しても瞬時に殺菌できる体になったようです。今後はデスの方が恐れて近寄らない存在に。試練を克服したら誰もがヒーローやヒロインになれるのです……。

 

<文/辛酸なめ子>

【辛酸なめ子】

東京都生まれ、埼玉育ち。漫画家、コラムニスト。著書は『辛酸なめ子と寺井広樹の「あの世の歩き方」』(マキノ出版)、『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎)、『女子校育ち』(筑摩書房)など多数。