こうした過程を経て、12月2日、国産の手術支援ロボットhinotoriによる世界で初めての子宮体癌の手術が実施された。同大では、「輸入機器の独占であったロボット支援下手術の世界で、hinotoriサージカルロボットシステムによるロボット支援機器を用いた手術が婦人科領域にも広がっていくことが期待される」とコメントしている。

 日進月歩の医療技術の進歩の中で、手術支援ロボット分野は、これまで海外が独占状態にあったが、hinotoriの開発により、国産手術支援ロボットの活躍の場が広がっている。hinotoriのサージョンコックピットは、執刀医の姿勢にあわせることが可能なように 人間工学的な手法で設計されるなど、日本人の体格に合わせた設計がされているなど、様々な国産の有意性もある。

 先行した泌尿器科領域では、約2年ですでに600症例を超える手術が実施されるなど、着実に実績を積み重ねており、今後、新たな婦人科領域、消化器外科領域でも使用が拡大されることで実績を積み重ね、さらに対象診療科の領域が拡大されることが期待される。

 新型コロナウイルスの感染拡大では、ワクチン、治療薬で海外と開発能力で大きな差があることが明らかになった。世界でも非常に高いレベルにあると言われる日本の医療技術が、今後も世界のトップランナーを続けていくためにも、手術支援ロボットの進化に期待したいところだ。