神戸大学は2022年12月2日、国産の手術支援ロボットで、世界で初めて子宮体癌手術を実施したと発表した。新たに、婦人科領域、消化器外科領域でのロボット手術が保険適用となったことを受け実施されたもので、これまで外国産が中心だった手術支援ロボットに、大きな道筋をつけるものとなった。

 ロボット支援による手術は、00年に米国で認可され、全世界的にシェアのほとんどを占める状況で今日に至っている。国内は09年に薬事承認され、12年に前立腺がんに対して保険適用となり、本格的にロボット支援機器を用いたロボット手術が行われるようになった。

 今回、子宮体癌手術が行われた手術支援ロボットは同大が協力して、兵庫県神戸市のメディカロイドが開発した「hinotoriサージカルロボットシステム」だ。手術機器を動かすオペレーションユニット、術者がロボットを操作するためのサージョンコックピットと呼ばれるシステム、術野を映像化するビジョンユニットから構成され、手術器具や内視鏡を取り付けた4本のアームが特徴で、医師は患者の体から離れたコックピットで内視鏡の立体画像を確認しながら遠隔でアームを操作して手術を行うことができる。