10位 シャドウ・イン・クラウド
クロエ・グレース・モレッツとグレムリンが共に戦闘機に乗り込んでバトル!というなんともB級な発想の、おそらくはかなりの低予算ながら、そこから期待していた通り、いやそれ以上のものをお出ししていただける内容だ。初めこそ主人公は狭い銃座に閉じ込められ不遜な男性たちから悪辣な物言いをされるが、そのストレスフルなシーンがあってこそ、それからのアクションを痛快に観られるようになっている。笑ってしまうほどの荒唐無稽な展開もむしろサービスであるし、上映時間83分というのも実に「わかっている」。
なお、元の脚本を執筆したマックス・ランディスが過去の性的暴行を告発されたという、男性からの言動の加害性を描く本編の内容からしても、皮肉というのもはばかられる酷い事実がある。そのことを受けて(全米脚本家組合の規定に則りランディスの名前はクレジットされているものの)脚本のリライト作業は重ねられ、結果的に脚本も手がけた女性監督ロザンヌ・リャンからの「暴力的な男たちへのカウンター」を強く感じる、反骨心と志の高い内容となったと言える。現在は各種配信サービスでレンタルできる。