流行語大賞にノミネートされる単語も、紅白歌合戦の出場者も、知らない情報の割合が年々増えていく。それが大人です。
博報堂生活総合研究所 は10月11日、生活者への長期時系列調査「生活定点1992-2022」(※)の最新調査結果を発表しました。同じ条件の調査地域・調査対象者に対して、同じ質問を繰り返し問い続けるこの調査からは、平成初期から令和にかけての30年間で起こった“人々の意識や価値観の変化”が読み取れます。
同調査の「2022年に“過去最低”/“過去最高”を更新した主な項目」に注目しながら見ていきましょう。
※1992年から偶数年5~6月に実施、調査対象は全国20~69歳の男女3084人(2022年)
◆「いくつになっても恋愛をしていたい」は過去最低
恋愛・結婚の分野では、「いくつになっても恋愛をしていたい」(1998年 49.9%→2022年 27.0%)、「夫婦はどんなことがあっても離婚しない方がよいと思う」(1998年 33.6%→2022年 14.7%)がいずれも過去最低を更新しており、恋愛や結婚における価値観の変化が浮き彫りになりました。恋愛以上に楽しいコンテンツが世の中に溢れているため、わざわざ恋愛ばかりを楽しむ必要がなくなったのかもしれません。
また、離婚をネガティブに捉えず、“より良い人生を送るための選択”と考える人も増えたのではないでしょうか。
「個室よりも家族で一緒に過ごすスペースを充実させたい」(30.3%)も過去最低であり、「家族は絶対にみんなで仲良くしなければいけない」という価値観も改められているのでしょうか。なんにせよ、家族や恋愛に縛られない自由な生き方が浸透している印象があり、これらの項目を見る限り、筆者の目には良い方向に社会が向かっているようにうつります。