◆危険!清掃車火災に繋がる「中身が残ったスプレー缶」

――年末に出る、迷惑なお困りゴミはありますか。

滝沢「ゴミを捨てる人が増える年末は、清掃車火災が多いんです。これは清掃員の命に関わります。僕が知っている清掃車も、中身の入ったスプレー缶が分別されないで入っていたことで燃えたことがありました。スプレー缶は必ず中身を出しきってから、自治体が決めた日に捨てるようにしてください」

――なぜスプレー缶の中身が残っていると、清掃車で燃えてしまうのでしょうか。

滝沢「スプレー缶は中身が入ったまま捨てると、ゴミ収集車の中にある回転板に挟まれたり、硬い不燃ゴミに押しつぶされてガスが漏れます。そうすると、ゴミを押しつぶす時に金属から出た火花などで、引火してしまうんです。収集したゴミの中にライターがある場合も引火します」

◆モバイルバッテリーや携帯扇風機も破裂して燃える

――ゴミを正しく捨てることは清掃員の人達の命を守ることにもつながっているんですね。

充電式は大体がリチウムイオン電池、自治体の指示を確認してみましょう
充電式は大体がリチウムイオン電池
滝沢「あと夏に使っていた充電式の携帯扇風機を年末に捨てる人も多いのですが、これも注意が必要です。多くの充電式携帯扇風機には、リチウムイオン電池が使われているのですが、これも清掃車火災の原因になるんですよ。

 リチウムイオン電池は、スマホのモバイルバッテリーやワイヤレスイヤホン、電子タバコなど様々な家電製品に使われています。リチウムイオン電池は圧迫に弱く、少しでも圧迫すると破裂して燃えます。僕の回収したゴミの中にリチウムイオン電池が含まれていて、清掃車の中で燃えてしまったこともありました」

――これは知りませんでした…。モバイルバッテリーなんてほとんどの家にあるというか持っていそうですが、リチウムイオン電池は、どのように捨てればよいのでしょうか。

「捨てたら清掃車が燃える」超危険ゴミ
写真はイメージです。
滝沢「自治体によって回収方法はまちまちで、不燃ゴミとして出すところもあれば、有害ゴミとして出すところもあります。リチウムイオン電池は近年発明されたものなので、回収方法が決まっていないんです。区役所に直接持っていって回収してもらうところもあります。

 また、清掃車だけでなくゴミ処理場でも、リチウムイオン電池が発火してベルトコンベアーが燃える火災が起きています。処理場の火災など億単位の損失が出ているのを見ると、使われているのは税金ですし、買うのは簡単だけどどうやって捨てるか、を考えて購入する必要があると思います」