◆一言言わないと気がすまない
また、誰であれ自分のアパートの廊下に立つ女性についてまったく触れようとせず、美也子さんをさっさと立ち去らせようとする彼氏の姿も、浮気を疑うには十分でした。
「家族が病気とか病院に行くことになったとか、嘘だろうなと思いました。その女性の都合がつくまで私といて、一緒に過ごせると決まったからそっちを選んだのだろうなって。そう思ったらもう、悲しいより馬鹿にされた感じにすごく腹が立って、一言言ってやりたくなりました」
◆ドアを絶対に開けない彼
美也子さんは、意を決して彼氏の部屋まで歩みを進めます。
「インターホンを押す指が震えました」と話す美也子さんですが、クリスマスの日にこんな惨めな思いをさせられることを、どうしても許せなかったそうです。
ところが、彼氏は出てきません。
スコープを覗けば外に立っているのは美也子さんだとわかるはずなのに、インターホンで応答もしない彼氏にさらに腹が立ちます。
「ねえ、病院は?」
とドアをノックしながら美也子さんは声をかけますが、それでも開けられることはなかったそうです。