◆人間の光、闇、欲望…すべてをその眼力で魅せる
眞栄田が演じているのは、世間知らずのマイペースな新米ディレクターで、のちにフリーのジャーナリストとなる岸本拓朗。岸本は、あるきっかけから少女連続殺人の冤罪事件を掘り起こし、のめり込んでいきます。
事件の真相を追うことに夢中になり、ムキになる青臭い岸本。過去に友人をいじめで亡くしたトラウマと報われない捜査により、摂食障害になり精気を失う岸本。左遷され、しまいには解雇されてまでも、果敢に真実を求め覚醒していく岸本。
眞栄田は、その力強い眼力で、人間の強さと弱さ、純粋さと傲慢さ、矛盾した人間の性(さが)を表現しています。筆者ははじめ、やたらエロさを放つ鈴木亮平にハマっていましたが、話が進むにつれて、眞栄田が演じる人間臭い岸本の魅力に取り憑かれていきました。
巨大な力の前に、為す術(すべ)もない絶望を感じさせた第9話。12月26日に迎える最終回では、岸本演じる眞栄田がものすごい希望の光を見せてくれるのではないかと期待しています。
<文/鈴木まこと(tricle.llc)>
【鈴木まこと】
tricle.llc所属。雑誌編集プロダクション、広告制作会社勤務を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとして活動。日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間ドラマ50本、映画30本以上を鑑賞。Twitter:@makoto12130201