◆出場の順番は恐ろしいもの
――決勝の審査について、“出場の順番の運が大きく左右した”という声もあがっていましたが、いかがでしたでしょうか?
<キュウの審査の際に、松本人志さんをはじめ審査員の方々から「順番に恵まれなかった」「順番でしょうね」などといった言葉がありました。そのことが「順番の運が大きく左右した」印象を付けていますが、M-1グランプリに限らず、賞レースでは必ず順番の運は付いて回ります。
公平性が求められる大会ですが、ある程度仕方ないことですし、そこも楽しむ要素のひとつかもしれません。(敗者復活組をトップにするべきでは、という意見もありますが)
そんななか、笑神籤(えみくじ)を引くのが、第三者であり、不正を許さないであろうアスリートであり、文句を言ってもケンカになったら絶対勝てないであろう、那須川天心さんというのは素晴らしいキャスティングですね!>
――「キックボクシングの神童」ですから有無を言わせませんよ(笑)決勝の放送後に、公式YouTube動画でネタをそれぞれ個別で見てみると、オンエア時とは印象が違っており、あらためて順番は大きいと感じます。
<順番に正解があればいいのですが、そういうわけでもないのが難しいところです。「ハチャメチャな漫才」で場が荒らされたあとに、「緻密(ちみつ)で繊細な漫才」がハマることもありますし、その逆もあります。設定や手法、キャラクターが被って、あとに出た人が割を食うこともありますし、逆にそれが功を奏することもあります。
余談ですが、何年か前のR-1グランプリの予選で、パンツ一丁の芸人が3人連続で出てきたことがありました。2人目は「またかよ…」と、残念ながら登場でスベってしまいましたが、3人目は「またかよ!」と、登場だけで爆笑を取っていました。
誰もが日常生活で「さっき笑えたことが今は笑えない」「偶然が重なって思わず笑っちゃった」ことがあると思います。順番はそのくらい恐ろしいものです。“運も実力のうち”と言えばそれまでですが…>
◆2ネタ連続ウエストランドで「まだ悪口あるのかよ!」と笑える形に
――今回の決勝での上位のコンビには運も味方したのでしょうか。
<結果論になりますが、優勝したウエストランドは順番に恵まれたかもしれません。
ファーストラウンドはトリを飾る10番手。(2020年大会の決勝でも、ウエストランドは10番手でしたが、そのときは高得点とはなりませんでした。この得点も順番が左右したところはあると思います。「最後だから良い」というわけでもないんですよね…)
そして3位に食い込み、最終決戦に進出。1番手となります。つまり、「2ネタ連続ウエストランド」となりました。
ファーストラウンドの余韻(よいん)がまだあるなかで、さっきの延長のような内容のネタ。「まだ悪口あるのかよ!」という印象が笑える形となり、最終決戦をスタートさせることができました。
ウエストランドがファーストラウンドで1位通過や2位通過だった場合、違った結果になっていた可能性もあると思います>
<文/女子SPA!編集部>
【女子SPA!編集部】
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