お笑い大好きプロデューサー・たかはし(TP)が見た、芸人たちの“実像”をつづる。今回は『M-1グランプリ2022』敗者復活戦のお話をお届け。
『M-1グランプリ2022』の決勝戦が12月18日に行われ、ウエストランドが7261組の頂点に立った。このご時世に逆行するかのような「悪口漫才」に、審査員7人中6人が票を投じたことは、お笑い界全体からの「決意表明」のような気がして胸が熱くなった。
『M-1グランプリ』決勝戦の数時間前には「敗者復活戦」が行われ、視聴者投票の結果オズワルドが勝ち上がった。この連載では『M-1』に関して一貫して敗者にスポットを当ててきたので、今回もこの敗者たちの熱き戦いに注目したい。決勝戦に関しては各所で振り返りや考察や論争が繰り広げられるのでそちらへ。
『M-1』は夜の決勝戦だけでなく、昼の敗者復活戦が面白い。もっというと12:30頃に行われる「敗者復活戦の出番順抽選会」から面白い。正直この抽選会だけで原稿1本書けてしまうが、それはあまりにもニッチすぎるのでやめておく(ただクジを引けばいいだけなのにボケまくるななまがりが最高でした)。
今年も敗者復活戦の会場はテレビ朝日横の「六本木ヒルズアリーナ」屋外特設ステージ。どう考えても暖かい室内でやったほうがみんな楽なのだが、敗者復活戦はいつのまにか屋外と決まっている。これは敗者復活戦が「絶対に熱い戦いになる」ことが保証されているからなせる所業だ。いや、だとしても室内でやったほうがいい。熱い戦いで体が温まる科学的根拠はない、本当に寒すぎて体調崩すから。
そんな過酷な環境の中、今年も例に漏れず熱戦が繰り広げられた。ここでは、中でも僕が「特に熱い!」と思った3組をピックアップしたい。