令和3年に行われた国税庁の民間給与実態統計によると、年収1,000万円を超える人は全体の約3.3%でした。現代の日本では、年収1,000万円ある人は高収入に分類されるでしょう。

年収1,000万円を超える人の住宅ローンを借りる目安は、年収の5倍くらいまでと言われています。つまり、5,000万円程度の借り入れなら、無理なく返済できるはずです。

しかし、年収1,000万円あっても住宅ローンの返済に苦しむ人もいます。どんな人が住宅ローン破産してしまうのでしょうか。

元銀行員で現在ファイナンシャル・プランナーの勝目麻希さんが解説します。

収支管理をしていない

年収が多い家庭の場合、収支管理があまり徹底されていないことがあります。特に危険なのが「何に使ったかわからないけど、お金がない」というケースです。

例えば、コンビニでの買い物やフードコート・ファーストフードの食事は、一回あたりで考えると少額ですが、塵も積もれば月々数万円以上になってしまうこともあります。収入が多いからと言って油断せず、細かい出費もきちんと管理しましょう。

子供の教育費・習い事にお金を使いすぎてしまう

年収1,000万円を超える世帯の場合、子供の教育費や習い事にお金を使いすぎてしまうケースもあります。幼いころから複数の習い事に数万円、小学校に入ってからは中学受験のために塾代に月10万円程かけていては貯まるものも貯まりません。

特に、親が裕福な家庭で育っていると「子供にも自分と同じようにしてあげたい」という気持ちが強くなりがちです。子供にお金を使うのはもちろん悪いことではありませんが、家計のバランスをよく見て取捨選択することが大切です。

定期的に貯蓄をする習慣がない

不測の事態が起こり、大きな出費が必要になるケースがあります。貯蓄がないと、生活費が足りなくなったり、住宅ローンの返済が滞ったりしてしまうでしょう。

貯蓄をするためには、毎月給料が出たらすぐに貯蓄用の口座に移し替える「先取貯金」がおすすめです。「余ったお金で貯蓄しよう」という家庭は貯蓄が貯まりにくく、住宅ローン破産の可能性があるので注意しましょう。