猫の中でも高い人気を誇るアメリカン・ショートヘア。自然発生種をさらに選択繁殖することで生まれた猫種と言われています。
野生的なビジュアルとは裏腹に穏やかで、人といるのが大好き。そんなアメリカン・ショートヘアを迎えるには?

1.アメリカン・ショートヘアの歴史

原産国:アメリカ

17世紀、北米にはイギリスをはじめ、フランスやスペイン、オランダ、ドイツなどから多くの移民が入植しました。移民が乗っていた船にはネズミ捕り用の猫も乗っていたと伝えられていますが、それにはアメリカ植民地時代のシンボルともなったメイフラワー号も含まれます。その猫たちが移民とともに北米に棲みつき、自然繁殖的に誕生したのがアメリカン・ショートヘアの祖先たちであると考えられています。

その後、19世紀後半から20世紀になるとタイプを固定するための人為的な選択繁殖が行われるようになり、より洗練された姿となります。
「アメリカン・ショートヘア」という猫種名が与えられたのは1960年代と意外に最近のことです。

2.アメリカン・ショートヘアの特徴

アメリカン・ショートヘアはボディバランス、野生的で美しい被毛パターン、人間との距離感など全体的にバランスがとれた猫と言え、人気が高いのも頷けます。

おそらくヨーロッパを中心にいろいろな国からやって来たのであろう猫たちが祖となっていると考えると、他民族国家であるアメリカらしい猫種であるというのも特徴の一つと言えるのではないでしょうか。

アメリカン・ショートヘアの容姿

アメリカン・ショートヘアの体重はオス猫で5kg~6.8kg、メス猫で2.7kg~5.4kg程度。サイズとしては中型~やや大型にあたり、メス猫はオス猫より小柄になります。
眼はほどよく離れた位置についており、耳は先端にやや丸みのある中庸な三角形で、耳と耳の間は眼と眼の間のおよそ2倍とされます。

体高に対して体長は長めで、均整のとれた体躯と四肢からは瞬発力とジャンプ力があることを伺わせます。他の猫に比べ、腰が背線より少し低めにセットされていることも瞬発力に優れる要因なのかもしれません。

被毛は密でやや硬めのショートヘア。毛色にはシルバー、レッド、クリーム、ブラウン、ブルー、ブラック、ホワイトなどがあり、毛色パターンはタビー(縞模様)が主な他、単色や、赤系の色が混じり合うトッティー、毛の根元が白いカメオなどもあります。

アメリカン・ショートヘアの性格・気質

アメリカン・ショートヘアは穏やかで人懐こく、のんびりとしていて、子どもや犬がいる家庭にも向く猫種と言われます。
どちらかと言うと、メス猫よりオス猫のほうが落ち着いているともいわれているようですが、個体差もあるでしょう。一方で、成長してもなお遊びたがるような猫らしい活発さももち合わせています。

3.アメリカン・ショートヘアを迎える方法

【専門家監修】アメリカン・ショートヘアの性格や飼い方のコツ、寿命、なりやすい病気まで全部紹介!
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

アメリカン・ショートヘアを迎えるには、主にペットショップ、ブリーダー、動物保護団体・動物愛護センターなどのルートがありますが、その前に知っておきたいこともあります。
それを理解した上で、入手先を決めましょう。

  1. 「動物の愛護及び管理に関する法律」により、販売者は対象となる動物を直接見せ、飼育方法などについて購入者と対面した上で文書を用いて説明しなければなりません。これを怠る販売者はNGと言わざるを得ません。

  2. 2022年6月1日より、販売される犬猫にはマイクロチップ装着が義務化されました。猫を購入後(マイクロチップ装着済の猫を譲り受けた場合も同じ)は、飼い主さん自身の情報へと変更登録する必要があります。

詳しくはこちら⇒環境省自然環境局 総務課 動物愛護管理室「令和4年6月1日から開始するマイクロチップ登録制度に関する飼い主の方向けQ&A」

アメリカン・ショートヘアの入手先

入手先1 ペットショップで探す

ペットショップで販売される猫は、契約ブリーダー、自社(自家)繁殖の他、多くが生体市場経由で仕入れられた子猫です。
現在、動愛法の改正により、生後56日(8週齢)に満たない子犬子猫は販売できなくなっているので(特例として天然記念物指定を受けている日本犬の場合は生後49日)、子猫の生年月日は確認するようにしましょう。

子猫を選ぶ際には、できれば親猫を見ることができると理想的ですが、ペットショップでは稀です。

入手先2 ブリーダーから購入する

真摯なブリーダーは特定の猫種にこだわりをもって繁殖しており、その猫種についての知識も豊富です。
子猫の価格については、ブリーダー登録サイトは別として、ブリーダーのホームページ上では公開していないことがあるので、直接問い合わせる必要があります。

予約をすれば見学も可。親猫や、子猫が育った環境を見られる点はプラスポイントです。

入手先3 里親になる

行き場のない猫はまだまだ多くおり、そうした猫を迎えるのも一つの選択肢です。この場合、子猫とは限らず、成猫や老猫もいます。

入手先としては動物保護団体や各自治体の動物愛護センターなどがありますが、里親になるには一人暮らしや65歳以上の人は不可、その自治体在住者のみなどそれぞれ条件が設けられていることがあるのでよく確認してください。

アメリカン・ショートヘアを迎えるときの費用相場は?

現在、子犬子猫の価格は以前に比べて大幅に高騰しています。したがって、決して安い買い物ではなく、ましてや一つの命を預かるわけですから、熟考の後、猫をお迎えください。

その結果、アメリカン・ショートヘアを迎えると決めた場合、おおむね以下の初期費用がかかります(商品に関しては一般的なものから少々リッチなものものまで含みます)。

アメリカン・ショートヘアを迎える場合の費用の目安

項目 費用の目安
アメリカン・ショートヘアの子猫の価格 13万円~
混合ワクチン(Felv含む) 3,000円~1万円程度
猫用ベッド 1,000円~5,000円程度
サークル・ケージ 5,000円~1万5,000円程度
食器・水飲み・フード(ドライフード1袋)類 3,000円~8,000円程度
トイレ・トイレシート類 3,000円~7,000円程度
ブラシ・コーム・爪切り類 3,000円~6,000円程度
おもちゃ類 1,000円~2,000円程度
キャットタワー 5,000円~2万円程度
合計 約2万5,000円~7万円程度+子猫の価格

※価格はあくまでも目安であり、販売者や子猫の状況、動物病院、商品などの条件によって変動します。