◆ホモソの頂点にいる男

――SNSでは、斎藤について「キュンキュンした」「かっこよすぎ」「色気が~」と絶賛の声だらけで、実は驚いたんです。紳士的に見えて、恵那への接し方からも常に女性を見下した感じが見える。「ホモソ―シャル(男社会)のてっぺんにいる男」感に、カチンとくることが多かったです。

エルピス斎藤
清濁あわせのむ男、斎藤(C)カンテレ
佐野:あやさんは斎藤について、「私はこんな男性を知らない」と言いつつ、私(佐野P)を通して見る、私(佐野P)が好きだろうなと思う男を描いた、と言っていました。

私は今40歳なんですが、周りの同世代でマスコミで働く女性には、斎藤みたいな男につかまってきた人がすごく多い。誰しも一度は通る道、みたいな感覚があるんです。

私は反省しがちなので、過去のLINEもよく見返すんですが、寝る前に過去に酷い目にあった人とのLINEのやり取りを見返して、「本当に嫌な奴だったな」「こんなホモソの頂点にいるような男に迎合していたのか」と自分自身にムカついたりして。そういうことをあやさんに喋ったんですよね。

◆男性スタッフに「斎藤はファンタジー」と言われた

佐野:斎藤のような男性って、今までのドラマにはたぶんあまり出てこなかったと思うんですが、何がポイントかというと、「穏やかな口調なのに傲慢さがにじみ出ていて、でもとにかく魅力的であることが問題で。そこが悔しい」という話をしたら、本当にそんな男が出てきました(笑)。

――恵那も、見下されているとわかりながらも、身をゆだねてしまいますからね。

佐野:斎藤とのやりとりには本当にムカついて。「なんで知っているんですか? この話しましたっけ」とあやさんに言ったんですけど、話してなくても多分あやさんには見透かされているんですよ。人間というものがわかっているんだなといつも思います。

その一方で、男性のスタッフや役者さんからは「斎藤はファンタジー」と言われたんですよ。

――えーっ!? すごくリアルですよ。

佐野:そもそもホモソの頂点にいるような男性は、うまく振る舞うから、恵那に見せるような側面を男性には見せないわけで。男性にはわからないんだろうなと思いました。

エルピス1
最終回はどうなるのか⁉(C)カンテレ