最近、にわかに注目を集めているオートミール。 低GI食品として、ダイエットに関心の高い海外セレブやモデルの間でも人気上昇中です。

でも、日本ではまだ歴史が浅いせいか、正しい情報が伝わっていない場合も。

「オートミールは低GIじゃないって聞いたけど、ほんとなの?」

このような疑問の声にお応えして、本記事ではオートミールのGI値について加工方法別に解説。

オートミールのメリットを正しく理解して、目的に合ったオートミールを選ぶ参考にしてください。

オートミールは本当に低GIなの?

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

実は、オートミールはすべてが低GIではありません。

オーツ麦の品種や加工方法、調理方法などによって、GI値は大きく異なります。

ですから、中には低GIではないオートミールも存在するのです。

そのあたりの詳しい内容は後ほどお話ししますので、まずはGI値についてご説明しましょう。

GI値とは

GI値とは、糖質の「吸収度合い」を示す数値。

オーストラリアのシドニー大学では、GI値を次の3つに分類しています。

  • 高GI:GI値70以上
  • 中GI:GI値56~69
  • 低GI:GI値55以下

それでは、GI値とダイエットの関係を解説していきます。

高GI食品は血糖値スパイクの原因

高GI食品とは、糖質の吸収が早い食品のこと。

空腹時にいきなり高GI食品を食べると、血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」という状態になり、元に戻そうとインスリンが大量分泌されます。

インスリンは別名「肥満ホルモン」とも呼ばれており「脂肪をため込む性質」があるため、ダイエッターにとっては何とも恨めしい存在。

人間は大昔、狩りをして生活していたので、十分な食料にありつけた時に「栄養をため込もう」とするのは自然の摂理なのでしょう。

しかし、食料が豊富な現代ではそれがダイエットの敵と化している、というわけです。

インスリンが大量分泌されると今度は血糖値が急降下して、脳が「食べて血糖値を上げないと危険」と指令を出して食欲がアップしてしまいます。

それほど空腹感がないのに甘いものが欲しくてたまらない時は、血糖値がジェットコースターのように急上昇と急降下を繰り返しているのかもしれません。

このように、ダイエットをする場合は血糖値の管理が重要になります。

低GI食品はセカンドミール効果も

逆に、オートミールのような低GI食品は糖質の吸収が緩やかなので、インスリンの分泌は最小限に抑えられます。

「お腹のもち」も良いため、食欲との戦いに敗れては落ち込む、あの屈辱感を味わわずに済むメリットも。

それに加えて低GI食品は「セカンドミール効果」といって、次に食べた食事の血糖値急上昇を抑制するうれしい働きがあります。

このようにメリットの大きい低GI食品は、まさしくダイエットの味方だと言えるでしょう。

オートミールのGI値

オートミールのGI値は一般的に「55」で「低GI」とされていますが、加工方法の種類別ではどうなっているのでしょうか?

オートミールの加工方法別GI値

シドニー大学のサイトを参考に、オートミールを「お粥」に調理した場合で比較してみました。

『yoganess』より引用
(画像=シドニー大学 Glycemic Index Research and GI News,『yoganess』より引用)

調べてみると、同じオートミールでも加工方法によってGI値は大きな開きがあることが判明しました。

調理時間とGI値は比例

オートミールの場合は調理時間が長いものほど低GIで、特に「スティールカットオーツ」はダントツでGI値が低い、という結果に。

スティールカットオーツとは、脱穀したオーツ麦1粒を2、3個に割ったものです。

他のオートミールのように「蒸して平らに延ばす」工程がなく、「生」の状態なので、調理に手間がかかるデメリットがあります。

20~30分加熱しないと柔らかくならないのですが、焦げ付きやすいため絶えずかき混ぜなくてはいけません。

かなり手間ですが、そのかわり味は抜群においしいので、真のオートミール好きの間では人気があるそうです。

逆に調理時間が短くて食べやすい「クイックオーツ」と「インスタントオーツ」は「中GI」という結果でした。

オートミールの中で比較するとGI値が高く見えますが、ご飯やパンと比べると低くなっています。

結論、ダイエット目的でオートミールを食べるのなら、調理の手間も考慮すると「ロールドオーツが一番」といえるでしょう。