イギリスのホラー映画『MEN 同じ顔の男たち』が公開中だ。日本では全国136館という中規模の公開ながら、週末興行成績で初登場10位とヒットしている。

「永遠のトラウマになること必至」が伊達ではない

 だが、映画本編はお世辞にも万人にはおすすめできない問題作だ。何しろ公式サイトには「特にラストへと展開する怒涛の20分は永遠のトラウマになること必至」などと記されており、それほどに露悪的かつグロテスクで、脳裏に焼きついてしまうクライマックスが待ち受けているのだから。R15+指定でもやや甘く思えるし、R18+になっても誰も文句を言わないだろう。

 実際にSNSでは「観るなよ」「おすすめしません!」などと強烈な拒否反応を覚えた感想がつぶやかれている一方、「気持ち悪すぎて笑った」「醜悪な描写に対して映像は洗練されていて美しい」「よくぞあのラストを思いついて実現させた!」など独自の魅力を推す声も多く、まさに賛否両論だ。クライマックス以外でも意図的に観客を不快にさせる描写が満載のため、ホラー映画を観慣れているという方も、相応の覚悟を持って観たほうがいいだろう。

 何にせよ、こういう「ヤバそうな映画」がヒットし、良いも悪いも含めて話題になるというのは喜ばしいことであると思う。映画製作・配給会社のA24は、同様にトラウマ級の恐怖体験ができる『ヘレディタリー/継承』や『ミッドサマー』が日本でもSNSを中心に話題を集めヒットしていたので、今後もホラー映画の話題をかっさらってほしい。