◆彼のことを「隠し事はしない人」と思った理由
ここまで読んで、読者の中には「お金目当て」と思っている方もいるかもしれませんが、そこは違うようです。
K氏は複数の事業をやっていますが、入ってくるお金以上に出ていくお金も多い人で、家にはよく督促状がきていたそう。K氏はIT、インバウンド、地域活性など様々な新規事業を立ち上げ、一時期は人を集めたり忙しくしているのですが、しばらくするとその事業の話を聞かなくなる……というのを繰り返していたとか。
恵さんによるとK氏は自分を大きく見せたくて「地域のイベントに政治家もこんなに来てくれた」などと発言することもあり、口が軽い男性。前の奥さんの仕事など、言わなくていいようなことまで口にするタイプでした。そのため恵さんは彼のことを、隠し事はしない人だと思ってしまっていました。
◆「親の介護で実家に行く」と彼
5~6年一緒に暮らしていたある日、K氏から「親の介護でちょっと実家に行く」と言われました。50代のK氏の親は80代です。介護と言われたら誰もが信じるでしょう。
荷物も着替えも家財も置いていき、1日実家に行ってまた戻ってきました。今度は数日実家に行って戻ってきたり、外でデートをしたり。そんな風にして徐々に、K氏が“実家”へ行っている日が多くなっていきます。
二人暮らしだったときは家賃は折半でしたが、彼が「払うよ」と言いつつお金を出さないため、恵さんがマンションの家賃を全額払っていました。
あるとき彼から電話で「今度“そっちに行く”ときに、◯◯を持っていくから」と言われたという恵さん。
「“帰る”じゃなくて“そっちに行く”って言われた時、ここは二人の場所じゃないんだと気が付きました。何も話し合いもなく、勝手に出て行ってしまったことに、悲しくなりました」