◆椎名桔平 笑顔のときも危険な役がチラついてしまう

 キレた危ない男の役どころがハマり役のイケオジといえば、椎名桔平! 若い頃から凄みのある役を演じているイメージがありましたが、年を重ねるにつれて演技の重みもさらに加速しているように感じます。

 北野武監督の映画『アウトレイジ』で壮絶な最期を遂げる若頭役がかなり印象深いと思いますが、近年では園子温監督のNetflixオリジナル映画『愛なき森で叫べ』の詐欺師・村田役が秀逸。実在の猟奇殺人事件インスパイア作とあって、その演ずる様は“怪演”のひと言が最も相応しい!

 椎名さんはインタビューやバラエティ番組などではチャーミングな素顔も覗かせています。しかし、その笑顔の裏にどうしても演じている役がチラついてしまう! どこか危険な魅力もはらんだイケオジといえましょう。

◆及川光博 キラキラ王子から不穏な役まで

 かつては“王子様”として、そして今もステージの上でキラキラと輝く永遠のイケメン、及川光博。気が付けば彼も50代になり“イケオジ”の風格が出始めてきました。

及川光博
及川光博 『XXV(ヴァンサンカン』(ビクターエンタテインメント) アーティストとして唯一無二の存在感を貫く彼は、俳優としても確固たる地位を築いています。しかしその役どころは、以前の王子様キャラの記憶が霞んでしまうほど濃いものがますます増えています。

 2021年は『ドラゴン桜』第2シリーズ(TBS系)の裏切者の教頭役、『最愛』(TBS系)では不気味なヒール的な立ち位置の専務役など、イケオジだからこそ出る不穏なムードを存分に活かした役どころが集中。今後もこの路線には期待できそうですが、一方でいつまでもキラキラな“ミッチー”としてステージで煌めき続けて欲しいです。

 令和に活躍中の若手イケメン俳優たちも、きっといつかはイケオジになっていく……。イケオジ好きとしてはそれも楽しみでならないのが本音です!

 今回は筆者イチオシの5人をピックアップしてご紹介しましたが、他にも多数の素敵なおじさま方が活躍中。皆さんの推しも、ぜひ教えてください。

<文/もちづき千代子>

【もちづき千代子】

フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。Twitter:@kyan__tama