◆親愛なる僕へ殺意をこめて/門脇麦
数多くのミステリアスな役を演じてきた門脇麦も、『親愛なる僕へ殺意をこめて』(フジテレビ系、11月30日放送終了)でその高い演技力を披露しました。
今回門脇が演じたのは、連続殺人犯“LL”とされていた男を父にもつ二重人格の青年・浦島エイジ(山田涼介)の恋人・雪村京花。当初は、殺人鬼の息子と白い目を向けられているエイジに、唯一態度を変えない、優しく献身的な彼女でした。
しかし、第5話(11月2日放送)で京花は衝撃の事実を告白。幼少期に母親からひどい虐待を受けており、父親もそれに加担。“LL”が姉を殺したことで、母親が自殺。虐待に苦しんでいた日々から開放され、以来、殺人鬼“LL”を王子様として崇めていたと語りました。
◆狂気じみた人格を演じさせたら右に出るものはいない
もう普通の女の子を演じることはないのでは…と思ってしまうほど、門脇麦は人間の“狂気”を動にも静にも演じられる随一の女優といっても過言ではないでしょう。実際、本作への出演を知ったときも、門脇がただの彼女役な訳がないと思った人も多いはず。
自身の過去と、“LL”を模倣した殺人事件を計画し、自分の父を利用して実行したことを淡々と語った表情には、想像を遥かに超える狂気に背筋が凍る思いがしました。最終回(11月30日放送)では、エイジの人格を殺してしまったにも関わらず、エイジに救われたこと、エイジにもう一度会いたいと願う本心に気づき壊れてしまう演技も圧巻の一言。
23年1月から主演を務めるドラマ『リバーサルオーケストラ』(日本テレビ系)では、どんな演技を魅せてくれるのか楽しみです。