終盤に向けて、ますます盛り上がりを見せる2022年の秋ドラマ。今回は、凄まじい“怪演”を魅せてくれた女優陣を『霊媒探偵・城塚翡翠』『親愛なる僕へ殺意をこめて』『silent』からご紹介したいと思います(※以下、各ドラマのネタバレを含みます)。
◆霊媒探偵・城塚翡翠/清原果耶
まず一人目は、品のある透明感と芯の強さを感じさせる堅実さを併せもつ女優・清原果耶。主演を務めた『霊媒探偵・城塚翡翠』での怪演をご紹介します。
まず、簡単に作品を解説。物語は、「霊が視える」力をもつ霊能力者・城塚翡翠(清原果耶)が、人気推理作家・香月史郎(瀬戸康史)と出会い、殺人事件の捜査に協力していくという展開からはじまりました。
翡翠は、はじめ超清楚なお嬢様でした。確かに、清原の透明感が生かされた役どころ。霊の意思を取り込む設定の「降霊」シーンでは、迫力の演技を魅せていましたが……清原ファンの筆者的にはちょっと物足りない印象でした。ところが!
◆圧巻の豹変ぶり! その後のキャラ変まで愛おしい
それを180度裏切られたのが『霊媒探偵・城塚翡翠』の最終話(11月13日放送)です。9人の若い女性たちの命を奪っていた連続殺人犯“透明な悪魔”を追いかけていた香月と翡翠。しかし、自身の別荘において香月は自分が“透明な悪魔”であることを告白し、事件を起こすきっかけとなった死んだ姉の霊を「降霊」するよう翡翠に迫ります。最初は怯えた素振りを見せていた翡翠ですが、突然人が変わったように笑いはじめ、自分の正体を語り始めるのです。
それまでの「霊視」や「降霊」は嘘であり、鋭い観察力や推理により真相を語っていただけだと告白。殺人鬼・香月を目の前に、それまでとは全く違うキャラクターでこれまでの事件を解決した推理を次々と披露しました。
“透明な悪魔”が香月だったことよりも、翡翠の豹変ぶりに心底驚かされた最終話。犯人を追い詰める長台詞の迫力、そして清楚系の気弱なお嬢様から、あざとさ全開の小悪魔キャラへの変貌まで清原の演技力が存分に発揮されました。
その後『invert 城塚翡翠 倒叙集』として、一話完結型の倒叙ミステリー(犯人が罪を犯す様が先に描かれ、目論みやトリックを暴いていく『古畑任三郎』でおなじみの手法)で、翡翠が謎解きをする形式に設定は変更。筆者はすっかり、あざとかわいい清原にメロメロで、最終回までの残り2話も楽しみにしています。