賃金の引上げ実施には、企業規模で格差も見られる。実施企業の割合は、従業員5000人以上では96.0%だったが、100~299人では83.7%にとどまっている。また、改定額も従業員5000人以上の企業では6478円だったのに対して、100~299人の企業では4738円で1740円の差があった。
夏の賞与の支給は、21年には85.7%が支給したのに対して、22年には86.2%が支給しており、企業の支給割合が回復しているものの、賃金引上げの実施と同様に企業規模の格差があり、22年の支給では従業員5000人以上の企業では96.1%が支給したのに対して、100~299人の企業では83.6%にとどまっている。
企業業績の悪化に対して、経営陣は大きな責任を負うことになるが、管理職も同様に賃上げに関しては一般職に比べ、賃上げが実施される割合が低くなっている。19年には一般職の80.4%で賃上げが行われたのに対して、管理職では71.2%にとどまっている。これが20年には一般職75.5%、管理職67.3%、21年には一般職74.6%、管理職63.1%にまで低下した。ただ、22年には一般職が74.1%に低下したのに対して、管理職は64.5%と若干ながら回復している。(表3)
管理職は一般職よりもベースの賃金が高く、また、管理職手当なども支給されているとはいえ、賃上げが実施されないとなれば、生活に与える影響も大きいだろう。
賃金の引上げが行われた企業の一方で、賃金カットが実施された企業も7.1%に上っている。その割合は19年には6.0%だったが、20年には10.9%に上昇、21年には7.7%に低下し、22年も7.1%に低下したものの、19年を上回る割合となっている。(表4)
依然として物価上昇が収まる気配はない。こうした中、賃上げの改定率は物価上昇率を下回り、さらには賃金カットまで行われている。政府が適切な物価対策を行わない限り、国民の生活は苦しくなるばかりだ。
提供・日刊サイゾー
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