田舎は、スローライフに憧れている方に人気の移住先です。しかし、理想と現実のギャップにショックを受ける移住者も多くなっています。この記事では、スローライフを送るために必要なこと、準備、デメリットについて解説していきます。

理想通りのスローライフを送るためには

憧れのスローライフを送りたい!知らないと損する理想とのギャップ
(画像=『移住したい』より引用)

田舎に移住しても、必ず理想通りのスローライフを実現できるわけではありません。
イメージだけで移住した場合、「思っていた生活と全然違う」「こんなことなら都会で暮らす方が良かった」といった後悔に繋がる可能性もあるので注意が必要です。田舎移住で憧れのスローライフを叶えたいのであれば、以下の2つを実践してみましょう。

  • 経験者に聞いて現実を知る
  • 希望に沿った土地に住む

事前にリサーチを行うことで、思い描いている理想と現実のギャップを埋めることができます。
また、スローライフを送るにあたって、移住先を見極めることはとても重要です。どのような土地や環境が自分に合うかをよく考えて、相性の良い移住先を見つけましょう。

それでは、各項目の詳細について以下で説明していきます。

経験者に聞いて現実を知る

スローライフを叶えるためにも、移住経験者に話を聞いてみましょう。
移住経験者は、リアルな実体験を基に田舎移住の現実を共有してくれます。メリットはもちろん、実際に住むことではじめて見えてくるデメリットについても教えてもらえるので、田舎での生活を色々な角度から考えることができます。

また、より有益な情報が知りたい場合は、自分と状況が似ている先輩移住者を見つけることがポイントです。
一口に田舎移住と言っても、移住前の環境はさまざまです。移住前の環境によって移住先の印象は大きく異なるので、都市部から田舎、地方都市から田舎、田舎から別の田舎など、自分と移住前の状況が同じ移住経験者を探しましょう。

都市部から田舎への移住は、環境の変化が最も大きくなっています。地方都市や別の田舎からの移住者よりもカルチャーショックを受けやすい傾向にあり、理想と現実のギャップに苦しむ層が多いのも特徴です。

そのため、例えば自分が都市部在住であるにもかかわらず地方都市からの移住経験者に話を聞いた場合、デメリットについて認識の誤差が生まれやすくなっています。田舎暮らしの実態について正しい知識を得るためにも、自分自身と似た価値観の移住検討者を見つけてください。

希望に沿った土地に住む

スローライフを送りたい場合は、移住先選びを慎重に行うことが大切です。田舎には、海、山、森、湖、川をはじめとするさまざまな環境があります。もしスローライフのイメージがある程度固まっているのであれば、理想を実現しやすい環境を選ぶよう意識してみましょう。

「海風に当たる家でのんびりと暮らしたい」「湖のそばに住んで雄大な景色を眺めながらウォーキングしたい」といった具体的な希望がある場合、移住するエリアは限定されます。海風を求めているのに山に住む、湖を眺めたいのに森に移住するといった事態を回避するためにも、自分の理想に合致する移住先を選ぶようにしましょう。

また、移住後に自給自足したい方は、あらかじめ移住希望地の気候についても確認することがポイントです。育てたい野菜や果物があっても、移住先の気候によっては上手く育たない可能性もあります。特に極端に暑かったり寒かったりする地域への移住を検討している場合は、どのような作物が適しているのかについてリサーチを行うようにしてください。

スローライフを送るための準備

憧れのスローライフを送りたい!知らないと損する理想とのギャップ
(画像=『移住したい』より引用)

準備に時間をかけることは、理想的なスローライフを送る上で必要不可欠です。移住後にトラブルに見舞われるリスクを回避するためにも、以下のような準備を徹底しましょう。

  • 自治体の移住支援制度などについて調べる
  • 収支計画などを作成しイメージをしておく
  • 実際に訪問したり短期滞在をしてみる

移住支援制度を活用することで、快適なスローライフを送ることができます。選ぶ自治体によって異なるメリットが得られるため、自分自身が適用対象となる移住支援制度について調べることが大切です。

また、理想的なスローライフを叶える場合、経済的な余裕が必須となります。
移住を決行する前に収支バランスの確認を行い、しっかりと計画を立てるようにしましょう。具体的な移住後の暮らしを知るためにも、現地への訪問や滞在も視野に入れてください。では、それぞれの準備方法について詳細を見ていきます。

自治体の移住支援制度などについて調べる

スローライフは、移住支援制度を使うことで実現しやすくなります。移住支援制度とは、自治体が行っている移住者や移住検討者向けの制度です。実施内容は自治体ごとに異なるものの、主な制度には以下のようなものが挙げられます。

  • 移住相談窓口の開設
  • お試し住宅の提供
  • 移住ツアーの開催
  • 移住者交流会の実施
  • 空き家バンク
  • 移住支援金
  • 住宅取得やリフォームに関する補助金
  • 家賃補助
  • 新婚世帯の移住者に対する補助金
  • 起業支援金

活用できる移住支援制度が多ければ多いほど、経済面や精神面でのメリットが大きくなります。移住先での生活が送りやすくなるため、快適なスローライフを送りたい方におすすめです。

移住希望地の支援制度について調べるのはもちろん、「自分が適用される移住支援制度が多い自治体はどこだろう?」「この移住支援制度を受けたい場合はどの自治体がベストだろう?」といった点にも着目しながら移住先選びを行いましょう。

尚、移住支援制度の適用には、さまざまな条件が設けられています。年齢や移住前の住所などで適用対象か否か判断されるケースも多いので、具体的な詳細は各自治体の移住相談窓口などに問い合わせてください。

収支計画などを作成しイメージをしておく

スローライフを送りたい場合は、移住前に収支計画を立てるようにしましょう。
田舎移住に対して、「生活費が安く済みそう」「出費が減るから都会よりも余裕のある暮らしができる」といったイメージを持つ移住検討者は多い傾向にあります。

しかし、支出に着目しすぎるあまり、収入に関する調査を怠りやすいのも実情です。移住後は、収入源を確保するために仕事をする必要があります。ただし、田舎の給与相場は都市部よりも低めに設定されており、移住前よりも大幅に収入が減る可能性も考えられます。

厚生労働省が発表した2022年の「賃金構造基本統計調査」によると、47都道府県で最も年収が高いのは東京都の584万9,300円となっています。2位は神奈川県の541万5,500円、3位は愛知県の524万400円、4位は大阪府の511万8,600円と続いており、平均年収が高い都道府県は都市部に集中しているのが特徴です。

一方で平均年収が低い都道府県は、47位が沖縄県の367万2,100円、46位が青森県の374万4,500円、45位が宮崎県の374万7,900円、44位が秋田県の379万1,100円です。地方の中でも特に関東から遠い都道府県の平均年収が低いことから、田舎へ移住することで収入が減ってしまうリスクについて考えなければなりません。

例え支出が少なくなっても、収入が激減しては生活していくことが困難です。移住希望地の平均給与額などを調査し、収支バランスについて事前に検討するよう心掛けましょう。収支計画をしっかりと立てることにより、快適なスローライフを叶えることができます。

実際に訪問したり短期滞在をしてみる

現地への訪問や短期滞在をすることで、移住後の生活を具体的にイメージすることができます。ネットや口コミの情報だけでは、現地の雰囲気や環境を知ることは困難です。現地を訪れることで初めて見えてくるメリットとデメリットもあるので、移住を決める前に必ず下見に出掛けるようにしましょう。

自治体によっては、訪問ツアーや滞在に関するプログラムを用意していることもあります。
ツアーの場合は現地職員が同行するのが一般的で、移住先の紹介、空き家情報の提供、移住経験者との対談、収穫体験のほか、就職先候補の見学ができるケースも多くなっています。現地の雰囲気はもちろん、実際に移住した後の生活もイメージしやすくなるというメリットがあり、自分自身と移住先の相性をチェックできる点がポイントです。

また、短期滞在においても、支援を行っている自治体は多数存在します。無料、もしくは格安料金でお試し住宅の提供を行っている自治体もあるため、経済的な負担を最小限に抑えたい方に最適です。

実際に現地で生活することにより、地域住民と交流する機会も生まれます。どんな人たちと暮らしていくかというイメージがしやすくなるので、理想的なスローライフか否かを判断することができます。