◆元野良猫であることが判明。生きるために我が家に辿りついた
結局、飼い主さんらしき情報に辿りつくことはできませんでしたが、調査をする中でしろちゃんは12月半ば頃から野良猫であったことが判明。
「お隣の息子さんが出会ったという、バス停から着いてきた猫に特徴が似ていました。その子は、息子さんが『うちには猫がいて、もう1匹は飼えないんだよ、ごめんね』と謝ると、付いてこなくなったそうです」
目撃情報があったバス停から、飼い主さん宅までは徒歩で15分ほどもかかる距離。
「どのように過ごしてきたのか分かりませんが、しろは我が家の前まで辿りつき、私たちは出会うことができたんです」
◆どこか気を遣っているような愛猫の姿に心を痛めた
出会った当初、しろちゃんの体重はわずか1.7kgほど。
飼い主さんは保護後、動物病院へ連れていき、抗生物質や駆虫薬を投与してもらい、自宅で止血剤や眼軟膏などを投薬しました。
「とりあえずは体力が戻るのを待ちましょうとの診断で、純血種だったからか、こんな子が本当に外にいたのかと驚かれました。この時、生後半年から1歳未満だろうと言われましたが、1ヶ月後くらいに避妊手術のために健康診断をした際、実は4歳から7歳であることが判明しました」
どこかで飼われていたからか、しろちゃんは保護当初から人のそばにいたがり、撫でてもらうのも大好き。
しかし、気を遣っているのでは……と感じるほど、大人しかったのだそうです。
そこで飼い主さんたちは安心してもらおうと、とにかく話しかけ、優しくナデナデ。すると、甘えてふみふみしたり、体の上に乗ってきたりしてくれるようになりました。
「また、体臭がすごかったのですが、冬の寒い時期に体力が落ちている状態でシャンプーをするのは危ないと言われたので、毎日ドライシャンプーで体を拭いてあげていました」