損害保険代理店のビジネスモデルとは?

損害保険会社の代理店の場合は、生命保険会社の代理店とは手数料の仕組みが若干異なる。

損害保険会社と代理店の間では、生命保険の場合と同様に手数料率が設定される。手数料率は15%から20%ほどとなっているのが一般的で、損害保険会社や損害保険商品の種類によっても手数料が異なる。

さらに損害保険の場合は、「手数料ポイント」と呼ばれる評価システムが導入されている。この手数料ポイントは、代理店の業績や規模、契約者の事故率などによって算出され、この手数料ポイントの上下によって代理店が最終的に受け取ることができる報酬は変わってくる。つまり、損害保険会社が代理店に支払う報酬の計算式は「損害保険料×手数料率×手数料ポイント」となる。

また損害保険の場合は生命保険とは異なり、契約期間は1年契約が多い。そのため1年ごとに手数料報酬を受け取ることができるが、先ほど説明した手数料ポイントの仕組みによって代理店が受け取ることができる最終的な金額は年々変化する。そのため、代理店側はこの手数料ポイントを維持もしくは高めることに努める。こういった理由から損害保険会社と代理店は「主従関係」になりやすいと指摘する声もある。

保険代理店は「乗合」「専属」「独立系FP」の3タイプ

保険代理店には一般的に、「乗合代理店」「専属代理店」「独立系ファイナンシャルプランナー(FP)」という3タイプに分かれる。

乗合代理店では、複数のの保険会社の保険商品を取り扱っている代理店のことを指す。そのため契約者側にとっては、複数の保険会社の保険商品を比較しながら加入する保険を選ぶことができるというメリットがある。また代理店によっても、どの保険に強いかなどの特徴が異なる。

乗合代理店はさらに分割すれば、保険ショップを構えて保険商品の勧誘や宣伝を行うことを主にするタイプと訪問営業をメインに据えるタイプに分かれる。かつては保険商品の勧誘は「生命保険外交員」「生保レディー」などとも呼ばれる担当者の個別訪問による勧誘が目立っていたが、訪問販売に対する規制などが近年強まっているという現状もある。

全国で店舗展開するメジャーな乗合代理店は?

代表的な乗合代理店として挙げられるのが、「ほけんの窓口」「保険見直し本舗」「みつばち保険ファーム」などだ。

ほけんの窓口は、ほけんの窓口グループ株式会社(本社・東京都千代田区)が展開するブランド。同社は1995年4月に保険代理店事業を開始し、保険ショップを拡大展開した後、2006年9月にほけんの窓口ブランドでの事業展開を開始した。同社ホームページによると、2017年3月現在、全国に保険ショップ600店舗を展開している。取り扱い保険会社は、生命保険会社が27社、損害保険会社が16社。一部の保険会社については、通信販売のみでの取り扱いとなっている。

保険見直し本舗は公式サイトによると、全国で255店舗(2018年4月1日時点)を展開している。運営しているのは株式会社保険見直し本舗(本社・東京都渋谷区/代表取締役・大谷寛)で、取り扱う保険会社は2018年4月1日時点で生命保険会社が26社、損害保険会社が16社、少額短期保険会社が3社と公表している。

みつばち保険ファームは公式サイトによると、全国で約80店舗(2017年4月26日時点)を展開している。取り合い生命保険会社は20社、損害保険会社は9社、少額短期保険会社は2社と公表している。運営会社はみつばち保険グループ株式会社(本社・東京都豊島区/代表取締役・笹本奈緒子)だ。