『THE FIRST SLAM DUNK』桜木花道役の新キャスト・木村昴、“低めの声”に違和感?
新キャストに不満の声が上がる理由を、声優業界関係者は以下のように分析する。
「オリジナルキャストがまだ現役で活躍しているにもかかわらず、キャストを総入れ替えすれば、前作と比較する声が上がったり、厳しい評価を下されるのは当然のこと。特に主人公の花道役は、旧アニメで高いキーの草尾毅が務めていましたから、往年のファンは、新キャストである木村昴の低めの声に違和感を抱いたものとみられます」(声優業界関係者)
しかし、新キャストの演技力自体は「旧作の声優と同じくらい」(同)だという。
「木村をはじめ、宮城リョータ役の仲村宗悟、三井寿役の笠間淳、流川楓役の神尾晋一郎、赤木剛憲役の三宅健太のうち、群を抜いて芝居がうまいのは三宅。ほかの4名は誰も突出していませんし、技術的には未知数でしたが、実は、旧作にもその傾向はあったんですよ。ベテランの故・梁田清之氏(赤木役)と塩屋翼(宮城役)は実力があったものの、草尾、置鮎龍太郎(三井役)、緑川光(流川役)は若手で演技力も乏しかった。しかし、作品そのものに勢いがあったため、たちまち人気アニメとなりました」(同)
『THE FIRST SLAM DUNK』原作者・井上雄彦氏、旧アニメのキャスティングに不満があった可能性も
なお、映画公式サイトで公開されているインタビューで、井上氏は声優交代の背景に言及。旧キャストが今作に出演していたら「かつて育てられたキャラクターをいったん捨ててもらわないといけないことになっただろうと思う」「(アニメと)同じ根っこから生えるもう1本の木、という感じでこの映画を捉えている」とコメントしていた。
原作者が声優のキャスティングにまったく介入しないケースもあるというが、今回の交代劇は「井上氏の希望による部分が大きいのかもしれない」(同)という。
「旧アニメでは、草尾、緑川、置鮎、また木暮公延役の田中秀幸ら、大手声優事務所・青二プロダクションの所属声優たちが多数出演し、同社がキャスティングに関して大きな権限を持っていたことがうかがえる。一方で今作の出演者の所属事務所はそこまで偏っておらず、当然、監督・脚本を務める井上氏の意向も反映されていたとみられます。往年のファンは『この声は違う』とガッカリしたかもしれませんが、井上氏にとっては、むしろ旧アニメより今回のほうが、より自分が思い描いたキャラクターの声になっていると思われます。もしかすると、旧作のキャスティングに不満を感じていたところもあったのでは」(同)
映画はまだ公開されたばかりだけに、ネット上の口コミによって客足が伸びる可能性は十分考えられる。アニメの放送終了から約26年ぶりに復活した『SLAM DUNK』が原作ファンやアニメファン、声優ファンから今後どのような評価を得ていくのか、動向に注目だ。
提供・サイゾーウーマン
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