◆広島弁ですごんだり、慈悲深く患者に寄り添ったり

本作では、中井の真骨頂とも言える緩急ある演技が実によくハマっています。笑わせるところと、シリアスなところ。空気を凍らせたかと思えば、しっかりと和ませる。そんな風に、中井は観る者の心を惹きつけていくのです。

第1話で、患者を放っていた“ゴッドハンド”外科医(柳葉敏郎)に広島弁ですごんで詰め寄ったシーンでは、凄まじい圧にしびれました。かと思えば、12月1日に放送された第7話では全く違う面を見せ、がんの進行が早く治療が困難になった大学生の患者(荒木飛羽)に優しく寄り添いました。その姿は、男性ながらナイチンゲールのような慈悲深さを感じさせ、涙を誘う展開に。

12月8日に最終回を迎える本作。難病を患い、急性心不全を起こした静。ナースとしての人生を全うしようとする姿を、どう中井が演じきるのかが楽しみです。