2022年の秋ドラマが終盤戦に差し掛かっています。豊作といわれる今クール。ベテラン俳優たちの活躍により、ぐっと作品に深みが増しているドラマも多々。

今回は、『ザ・トラベルナース』『PICU 小児集中治療室』『拾われた男』から、筆者が特に感銘を受けたベテラン勢の活躍をご紹介したいと思います(※以下、各ドラマのネタバレを含みます)。

画像:テレビ朝日『ザ・トラベルナース』公式サイトより
画像:テレビ朝日『ザ・トラベルナース』公式サイトより
◆ザ・トラベルナース/演技の緩急で見せつけた、中井貴一の凄み

はじめに紹介したいのは、『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系、木曜夜9時~)における中井貴一です。言うまでもなく日本を代表する俳優のひとりで、ちょっとクセのある役を演じたら右に出る者はいないと思わせる圧倒的な個性が魅力の中井。

数多くの映画やドラマに出演し、日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞(第27回/「壬生義士伝」)をはじめ幾多の賞を受賞しています。なお筆者の好物は、昼食をテーマにしたNHKバラエティ『サラメシ』のナレーションと、小泉今日子とのW主演ドラマ『最後から二番目の恋』シリーズで演じた生真面目な“鎌倉市役所観光推進課課長"長倉和平の役です。

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今期の『ザ・トラベルナース』では、医療従事者を目指す貧しい人たちを支援する「フローレンス財団」の理事長でありながら、現場「天乃総合メディカルセンター」で謎のスーパーナースとして働く男・九鬼静を演じています。

バディを務める、腕は抜群だけど何かが少し足りないトラベルナース・那須田歩(岡田将生)をはじめ、看護部長(寺島しのぶ)や同僚のナースたち、外科医師(菜々緒)、病院長(松平健)にも大きな影響を与えていくという役どころ。