3度目の恋で駆け落ち

 結婚後、3回、恋に落ちた。最初は結婚してすぐだったが、これは半年ほどで終わった。2度目は、今9歳の下の子が3歳だったころ。これは2年ほど「しっとりといい関係」が続いたあと話し合って別れた。

 3度目は3年前から2年続いた関係。これがいちばんやっかいだった。やっかいだったのは相手との関係ではなく、アキノさん自身の気持ちの問題だ。

「不倫っていう言い方は気に入らないんです(笑)」身勝手を貫く既婚女性が本気になったけど…
(画像=『女子SPA!』より引用)

「初めて、何もかも捨てて彼と一緒になりたいという欲求がわいてしまったんです。彼は10歳年上の既婚者。セクシーで紳士で、本当に素敵な人だった。

仕事関係で知り合ったのですが、私から口説いたので、最初、向こうは軽い気持ちだったと思います。でもだんだん本気度が増してきた。いつもなら恋は恋として成就させると割り切れるはずの私も、彼と少しでも一緒にいたい、この先もと欲望が肥大しつづけていったんです」

 とうとう、相手が妻にバレたと連絡してきた。こうなったら駆け落ちするしかない、誰もいないところへふたりで行こうということになった。

「彼といられるなら、今までの人生を振り捨ててもかまわない。どうしてそんな思考回路になったのか、今となっては不思議なんですが、そのときはその思いに凝り固まってしまった。

 今すぐ逃げようとなって、ろくに荷物をもたないまま貯金通帳と印鑑だけもって夜中に家を出ました。寝ている子どもたちや夫の顔さえ見なかった。彼が車で家の近くまで来てくれて、そのまま東京から離れました」

1日だけ寝込んだ日

 緊張感からふたりとも押し黙ったままだった。彼の実家が山陰地方なので、とりあえずそこまで行くつもりだった。

「不倫っていう言い方は気に入らないんです(笑)」身勝手を貫く既婚女性が本気になったけど…
(画像=『女子SPA!』より引用)

「神奈川のサービスエリアで休憩をとったんですが、なぜかふたりともそのまま車の中で寝てしまったんですね。ふと目覚めたら夜が白々と明けてきていて。あ、今日は子どもの授業参観だったと思い出して。急に現実に引き戻された。そして運転席で寝ている彼を見て、『この人、誰だっけ』みたいな気持ちになった。

 あわてて彼を起こして『ごめん、帰るわ』と。彼も『うん』って。間抜けな道行きですよね」

 どうしてそういうことになったのか、今もよくわからない。あの夜の自分の気持ちは、一生かかっても思い出せないだろうと彼女は言う。

 彼に送ってもらってそうっと玄関を開けると、夫がキッチンで朝食を作っていた。

「ごめん、ちょっとコンビニに行ってたと言うと、コンビニで寝てたんじゃないのと夫に言われ、出て行ったことも知っていたのかもしれないと思いました。それでも夫は何も言わなかった」