◆ホルモンバランスと腸内環境は深い関係
女性の場合、生理周期がホルモンバランスのバロメーターになっていますよね。ただ、高尾先生によると、「毎月ぴったり合っていなくても、1週間くらいのズレであれば問題ない」そう。けどたまに「めちゃくちゃ乱れてる!?」と感じることも…。
「ホルモンバランスが乱れる原因として考えられるひとつがストレス。ストレスによって卵巣が働くための指令を出す視床下部に負荷がかかり過ぎると、うまくエストロゲンが分泌できなくなり、排卵が起こらず生理がこなくなるため生理周期が不安定になってしまいます」
そして、女性ホルモンの乱れとともに起こりやすいのが“腸内環境の悪化”だそうです。
「女性ホルモンの分泌の指令を出している視床下部は、自律神経のコントロールもしています。つまり女性ホルモンの乱れを感じているということは、自律神経も乱れている可能性が高いのです。
また更年期のエストロゲンの減少も自律神経の乱れの原因に。自律神経が乱れて交感神経が優位になりすぎると、腸の機能が低下し、腸内環境も悪化。便秘や下痢、腹部膨満感といった腸の症状が起こりやすくなります」
◆「ホル活」で大切なのは腸のケア
女性ホルモンの乱れと腸内環境の乱れ。このダブルパンチ、なんとかならないものでしょうか?
「女性ホルモンの乱れと腸機能低下をダブルでケアするのが重要です。ここでまず大切なのが、腸内環境を整えること。『脳腸相関』と言われる通り、腸は卵巣に指令を出す脳と密接に影響し合っているだけでなく、女性ホルモンに似た働きをする『エクオール』の産生にも深く関わっています」
女性ホルモンの乱れと腸機能低下をダブルでケア、なるほど!この2つで女性ホルモン力のパワーアップ活動、略して「ホル活」していきたいものです。それにしても“エクオール”ってよく聞きますが、腸と深い関係があったんですね。
「大豆に含まれる抗酸化成分の一種である『大豆イソフラボン』は、腸内で女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする『エクオール』に変換されます。これを行なっているのが腸内細菌の『エクオール産生菌』です」
ということは、腸がちゃんと動いていないとエクオールもあまり作れなくなる…。
「もともとエクオールを産生できるのは2人に1人とも言われているのですが、もし腸の働きを良い状態に保てなければ、腸内細菌(エクオール産生菌)はうまく働かず、よりエクオールの産生が難しくなります。エクオールの産生量も人それぞれ異なりますが、エクオールをたくさん作れる人は、PMSや更年期の不調が軽いということもわかっています」
だから、日々意識的に腸のケアを行うことがとても大切なのですね。