努力の甲斐あってレパートリーは豊富に
「それでも、母親には一度も美味しいとは言ってもらえませんでしたね。だから毎晩、料理を作って透さんに食べてもらうときにはビクビクしていました」 洋子さんはそうは言うものの、努力の甲斐あって、一週間のレパートリーには困ることなく、食卓はとりあえず華やかなものになりました。 そんなある日、マンションの電気設備工事が長引いてしまい、オール電化だった洋子さん宅は料理ができなくなってしまいました。
夕食をコンビニで買ってくることに
今晩の夕飯をどうしようかと思い悩む洋子さんですが、透さんの帰宅時間は迫ってきます。 もう仕方ない、と思った洋子さんは、コンビニで売っている惣菜と電子レンジで炊くことができる白米でテーブルを飾ることにしました。最近のコンビニの惣菜はよくできていると感心しながら透さんの帰りを待って、夕食を始めます。 「今日ね、停電が長引いちゃって、これ全部、コンビニで買ってきたものなの」 洋子さんは申し訳無さそうに言います。すると透さんは、 「すごく美味しいね。今のコンビニってこんなによくできてるんだ。すごい」と喜びながら食べました。