栄養価が高くて消化吸収もよく、1年を通して手軽に食べることができる「バナナ」。
マラソンランナーやスポーツ選手のエネルギー補給としても人気の食材です。
実はこのバナナ、ダイエットにもおすすめであることはご存知でしたか?
今回は、現役管理栄養士が
- バナナがダイエットに効果的な理由
- バナナを食べるメリット
- ダイエット中に食べるタイミング についてお伝えします。
キレイなボディを目指して健康的にダイエットしたい方は、ぜひ参考にしてくださいね!
この記事を書いた人
wami 管理栄養士 管理栄養士・健康運動指導士・シナプソロジーインストラクターとしてフリーで活動。また、特定保健指導、高齢者向け運動指導を専門としています。趣味はキックボクシング、筋トレです。
バナナのカロリーや栄養素はどれくらい?
最初に、ダイエット中にバナナは食べても良いのか?についてお答えします。
すばり!毎日、1~2本食べても太りません!
バナナは意外と低カロリー!
バナナは甘くておいしいけど、高カロリーで太るのは?という疑問にお答えします。
本題に入る前に問題です。
バナナ1本とコンビニのおにぎり1個では、どちらのカロリーが高いでしょう
クリックして正解を見る! 正解はコンビニのおにぎり1個です。バナナと他の食品で比較してみましょう。
バナナ1本(100g) | 86キロカロリー |
コンビニのおにぎり1個(110g) | 185キロカロリー (おにぎりの種類によって変わります) |
バナナはコンビニのおにぎりと重さはほぼ同じなのに、なんと!半分のカロリーなんです。
ちなみに甘くておいしい「あんぱん」は1個(100g)280キロカロリーです。
バナナはカラダ作りに必要な栄養素が豊富!
バナナにはカラダ作りに必要な栄養素が豊富に含まれています。
以下で詳しく見ていきましょう!
・バナナに含まれる主な栄養素
- ビタミンやミネラル
- 消化吸収の良い「糖質(炭水化物)」
- 生命活動の維持に必須のミネラル「カリウム」
- 骨の健康を助ける「マグネシウム」
1.ビタミンやミネラル
カラダ作りには、炭水化物やたんぱく質が必要。
また、炭水化物やタンパク質を効率良く吸収するためには、ビタミンやミネラルを一緒に摂ることが大切です。
バナナは果物の中でもビタミン、ミネラルが豊富!
バナナを食べることで、炭水化物を効率よくエネルギーに、たんぱく質を筋肉や血液、肌などの細胞の作り変えに利用できるようにしてくれますよ!
また、バナナには食物繊維や糖質(炭水化物)、カリウム、マグネシウムも豊富に含まれています。
2.消化吸収の良い「糖質(炭水化物)」
バナナの甘味成分である、果糖やブドウ糖などは消化吸収が良く、
- 疲れたとき
- スポーツの前後
- 病みあがりのとき
- お腹の調子がよくないときのエネルギー補給
- に食べると効果的!
疲れている時や病みあがりの時でも、効率良く栄養を摂ることができますよ。
3.生命活動の維持に必須のミネラル「カリウム」
「カリウム」は、カラダの細胞機能を支える、生命活動の維持に必須のミネラル。
バナナにはこのカリウムが豊富に含まれており、バナナ1本で1日に摂りたいカリウムの約12~13%を摂ることができます。(女性の場合)
また、カリウムは野菜、芋、果物などの植物性食品に多く含まれますが、
- バナナ1本(100g)・・・360㎎
- りんご1/2個(120g)・・・144㎎ と、同じ果物でもバナナはダントツでカリウムの多い食品です。 さらに、水分の代謝を促すので、むくみ解消効果も期待できますよ。
※男女別カリウムの目標摂取量
男性(18歳〜):3,000㎎/日
女性(18歳~)は2600㎎/日
参考:日本人の食事摂取基準2020年版
4.骨の健康を助ける「マグネシウム」
「マグネシウム」は、骨の形成をサポートしたり、神経の伝達を正常に保つために重要な栄養素。 体内に25gほどあり、その約半分が骨に含まれています。
また、糖質をエネルギーに変えたり、たんぱく質の合成を助けたりと、ダイエットにも活躍してくれます。
マグネシウムはナッツ類、葉物野菜、海藻類に多く含まれますが、バナナにもほぼ同じ量のマグネシウムが含まれているんです!
バナナ1本(100g)・・・32㎎
アーモンド10粒(10g)・・・27㎎
乾燥ひじき(5g)・・・32㎎
なお、女性は30代をピークに骨密度が減少していき、将来「骨粗鬆症」になるリスクが高くなります。
若い女性であっても、ムリなダイエットをすると疲労骨折になることも。
骨を丈夫にする維持するためにも、カルシウムだけでなくマグネシウムを多く含む食品も一緒に摂るようにしましょう。
【参考】マグネシウムを豊富に含むナッツのおすすめを紹介
バナナがダイエットにおすすめな3つの理由
ダイエットというと「甘いものを控える」というイメージがあるため、バナナは太るんじゃないの?と思う方も多いかもしれません。
以下では、バナナがダイエットにおすすめな理由をお伝えします。
・バナナがダイエットにおすすめな理由
- 脂肪燃焼を助けてくれる
- むくみを解消効果がある
- バナナは仕事の合間にも最適!集中力アップ効果も!
1.脂肪燃焼を助けてくれる
バナナには、ダイエット中に欠かせないビタミンB群がたくさん含まれています。
ビタミンB群はエネルギー源の代謝を助けてくれるビタミン。
全部で8種類ありますが、そのうちビタミンB₁、ビタミンB₂、ナイアシン、ビタミンB₆、葉酸が脂肪燃焼を促進してくれます。
りんごと比べてみると、その差は歴然!
栄養素 | バナナ1本(100gあたり) | りんご1/2個(120gあたり) |
ビタミンB₁ | 0.05㎎ | 0.02㎎ |
ビタミンB₂ | 0.04㎎ | ほとんど含まれず |
ナイアシン | 0.7㎎ | 0.1㎎ |
ビタミンB₆ | 0.38㎎ | 0.04㎎ |
葉酸 | 26μg | 2μg |
以下では豆知識として、それぞれのビタミンの役割をお伝えします。
知っておくと、ダイエットだけでなく日々の健康維持にも役立ちますよ。
・ビタミンB群の種類とその役割
- ビタミンB₁
- ビタミンB₂
- ナイアシン
- ビタミンB₆
- 葉酸
1.ビタミンB₁ ビタミンB₁は糖質をエネルギーに変わるのをサポート。
不足すると糖質をエネルギーに変えることができず、乳酸などの疲労物質がたまってしまい、疲れやすくなります。
皆さんもよくご存じのアリナミン(商品名)。実はビタミンB₁です。
2.ビタミンB₂ ビタミンB₂も同じく、エネルギー代謝をサポートしてくれるビタミンです。
脂質の代謝と関わりが深いので、脂肪を多く摂ったときはビタミンB₂が不足しないようにしましょう。不足すると、体内で脂肪が燃焼しにくくなります。
3.ナイアシン ナイアシンは糖質や脂質がエネルギーに変わるのをサポート。また、アルコールの分解もサポートしてくれます。
アルコールをよく飲まれる方には、積極的に摂っていただきたいビタミンです。
4.ビタミンB₆ ビタミンB₆はタンパク質の代謝をサポートしてくれます。
食物のたんぱく質を分解して、カラダのたんぱく質を合成する過程で必要なビタミンです。
ダイエットをするときに、代謝をアップするために筋トレで筋肉も増やしますよね?プロテインやたんぱく質の多い食品を摂るときは、同時にビタミンB₆も摂るようにしましょう。
5.葉酸 葉酸は貧血予防に働くビタミンです。
女性はダイエット中に貧血になりやすいです。貧血になると、スタミナ切れになってしまい、体脂肪を燃焼するためのエクササイズをしても長続きせず、ダイエットを中断しかねません。
2.むくみを解消効果がある
皆さんは、夕方になると足がむくんでつらい!ということはありませんか?
バナナは女性の悩みに多い、むくみを解消してくれる栄養素を多く含んでいます。
ここで問題。
Q.むくみを解消してくれる栄養素は? 1.カルシウム
2.カリウム
3.ビタミンC
クリックして正解を見る! 正解は、「2.カリウム」です。カリウムを詳しく見たい方はこちらをクリック! 詳細 女性は男性と比べると、
- 筋肉量が少ない
- 毎月の女性ホルモンの変化
- 足にたまった水分を上半身に戻しにくい
など、むくみやすい体質でもあります。 これに加えて、塩分の多い食品をとるとますますむくみやすいカラダに・・・
そこでむくみを解消してくれるミネラルが「カリウム」です。
カリウムはカラダの細胞機能を維持するのに必要なミネラル。内にはカリウム、細胞外にはナトリウムがそれぞれ多く含まれます。塩分の多い食べ物を摂りすぎると、ナトリウムが多くなり、むくみの原因になります。
カリウムを多く摂ることで、ナトリウムを排泄しやすくなり、むくみが解消して足がスッキリする効果を期待できます。
体重が増えるのは体脂肪が増える以外にも、余分な水分が体内にたまることも考えられます。
そういった意味からも、水分代謝がアップすることでより動きやすいカラダになり、痩せやすいカラダにを手に入れられますよ!
3.バナナは仕事の合間にも最適!集中力アップ効果も!
仕事の合間に疲れて、食べたくなるものといえば甘いお菓子や飲み物。
ではなぜ疲れていると甘いものを食べたくなるのでしょうか?
脳は体重の約2%の重さの臓器です。大人なら約1200g~1500g。
ここで問題です。
Q.脳のエネルギー消費量は、全体の何%でしょうか? 1.2%
2.10%
3.20%
クリックして正解を見る! こぶし2個分の大きさなのに、20%もエネルギーを使う食いしん坊の臓器です。
そして、脳はブドウ糖しかエネルギー源として利用できません。だから糖質の多い甘いものが食べたくなるのです。
脳が疲れたときにおすすめなのが、持ち運びができて皮をむいたらすぐに食べることができるバナナ。
バナナに含まれる果糖やブドウ糖などは消化・吸収にすぐれていて、すぐに脳のエネルギー源になってくれます。
また、腹持ちもよく集中力がアップします!
もし、お菓子などの甘いものを食べている方は、低カロリーのバナナにするとダイエット中もカロリーの摂りすぎを防ぐことができますよ。
【参考】お菓子・甘い飲み物のカロリー
バナナ1本 | 86キロカロリー |
チョコレート(1枚50g) | 300キロカロリー |
シュークリーム(1個) | 250キロカロリー |
ドーナツ(1個) | 300キロカロリー |
ミルクティー(500ml) | 250キロカロリー |