◆メンタル不調を改善するセルフケア方法は?

――メンタル不調を改善するために、どのようなセルフケアを行えばよいでしょうか?

振本「まずは日々がんばる自分を自分でいたわって大事にしてあげてください。バスタイムなど一人の時間にリラックスすることが大切です。38度~40度くらいのぬるま湯に10分以上つかることで、体を休める副交感神経が高まり、リラックスできます」

入浴 お風呂
「また、十分な休養も必要です。ブルーライトは脳に刺激を与えるので寝る2時間前にはスマホやパソコンをシャットダウンしてゆっくり眠りにつくルーティンを作ってください」

――ついついベッドでスマホを見てしまうのですが、夜はゆっくり体を休めることが大事ですね。

振本「はい。そして十分な休養と同じくらい食事も大事です。精神を安定させるためにはセロトニンという脳内物質が必要です。セロトニンは必須アミノ酸から作られていて、納豆・豆腐などの大豆製品やチーズ・バター・ヨーグルトなどの乳製品に多く含まれています。これらの食品をバランス良くとってください。

ここで重要なのは毎日継続してとることです。そういう意味でヨーグルトは手軽に必須アミノ酸が摂取できる食材なのでおすすめです。最近はR-1乳酸菌など免疫機能を活性化するような作用が確認されているものや様々な機能成分のついたヨーグルトが出ているので、いろいろ試してみてはいかがでしょうか」

ヨーグルト
――毎日続けることが大事ですね。

振本「他にも1日10分のウォーキングなど、軽い運動や日光に当たることでセロトニンは増えます。朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びる習慣も作ってくださいね。『自分の体は自分でいたわってあげる』を意識してセルフケアをしてあげてください」

――なるほど。心とカラダ、両方の健康を守る日々の習慣が大切なんですね。

この冬、新型コロナやインフルエンザの感染対策として、免疫力を落とさないためにも、メンタル不調に気をつけたいものです。休養と食事と運動。手軽にできることから取り入れてみてはいかがでしょうか。

(※1)Social stressors associated with age-related T lymphocyte percentages in older US adults: Evidence from the US Health and Retirement Study (Proceedings of the National Academy of Sciences 2022年6月13日)

(※2)Associations of Depression, Anxiety, Worry, Perceived Stress, and Loneliness Prior to Infection With Risk of Post-COVID-19 Conditions(JAMA Psychiatry 2022年9月7日)

【振本恵子】

一般社団法人ヘルスケアマネジメント協会代表理事。看護師、産業看護師、看護教員、心理カウンセラーなどを経て、2012年に健康教育コンサルタントとして独立。2016年、当協会代表理事に就任。

<文/瀧戸詠未>

【瀧戸詠未】

大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。Twitter:@YlujuzJvzsLUwkB